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インバウンド業者の厳しい状況が続く。2021年4月月次インバウンドレポート

Updated: May 31

2021年4月月次インバウンドレポート


2021年5月

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大




■4月の出来事要約


 2021年4月の訪日観光(インバウンド)のトピックとしては、新型肺炎COVID-19の変異株が国内で蔓延。それに伴い3度目の緊急事態宣言が発令。緊急事態宣言期間中の飲食業への時短営業要請、商業施設に休業要請及び新規入国者の入国原則禁止を続ける。


 欧州連合は2021年夏からワクチン接種済みのアメリカ人観光客受け入れで調整を開始。香港―シンガポール、オーストラリア―ニュージーランドの間でトラベルバブル開始へ。


日本政府観光局が発表した2021年3月訪日外国人客数は単月で12,300人となった。前年比は▲93.6%。




■4月主なインバウンド関係ニュース


・2021年3月訪日外国人客数は12,300人。新規入国の原則禁止は継続も、先月の大幅減したものの、再び1万人台へ回復。詳しくはこちらのレポートを参照。

・日本国政府は緊急事態宣言発令解除後も、ビジネストラック・レジデンストラックを1月14日からの一時停止措置を延長。詳細は外務省の国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について参照。


・欧州連合は2021年夏より、米国からのワクチン接種済みの観光客の受け入れを再開。詳細はこちら


・高齢者へのワクチン接種を7月末までに完了するように自治体へ通知。詳細はこちら


・経団連がワクチンパスポート導入を日本政府に働きかけ。詳細はこちら


・香港とシンガポール間のトラベルバブル、5月26日から開始。ワクチン2回接種が条件に。詳細はこちら

・日本百貨店協会が発表した2021年3月免税店売上高・来店動向速報によると、免税店売上高は前年同月比+17.1%の55.5億円となった。


・観光庁が発表した2021年3月の宿泊旅行統計によると、旅館、ホテル等の宿泊数は前年同月比+13.9%の2,726万人泊。外国人は▲73.9%の30万人泊となった。




■2021年3月訪日外国人客数


以下のグラフが2017年-2021年までの訪日外国人客数である。



 日本政府観光局が発表した2021年3月の訪日外国人客数は3月単月で12,300人となった。同年前月比は66.2%と大幅増。前年同月比は▲93.6%となった。


 国別で見ていくと、アジアでは中国4,000人、韓国2,000人と全体を牽引。先月から大幅増。次にインド700人、台湾600人と続く。昨年まで全体の牽引役であった。ベトナムからの訪日者数は200人と先月から変わらず。


 欧米豪からは、英国200人、フランス90人、ドイツ80人、米国600人と先月からあまり大きな変化はなかった。引き続き水際の対策強化と新規入国一時停止の影響が大きく数値に現れた。




■免税店総売上高の推移 


以下は百貨店協会が発表している免税店総売上高は以下の図の通り。


 2021年1月から続くビジネス・レジデンストラックの一時停止処置により訪日外国人客数は低位に水位。しかし、今月の免税売上高は約55.5億円と連続で上昇。前年同月比+17.1%とプラスに転じる。


 購入品の不動の1位は変わらず化粧品であり2位はハイエンドブランド。パスポート別購入者のトップは中国本土。以下台湾、香港、韓国と続く。



以下は購買客数と購買単価の図である。


 3月の購買客数は約1.34万人と先月から上昇。一人あたりの購買単価は39.4万円へ下落。上昇傾向にあった購買単価は一服。これは購買客数が増えた事に起因すると考える。引き続き免税店での化粧品やハイエンドブランドの購買意欲の高さが伺える。




■外国人延べ宿泊者数


以下の図は観光庁が発表している宿泊旅行統計調査の外国人延べ宿泊数の月次推移である。


 直近発表の速報値では外国人延べ宿泊者数は約29万人と先月の20万人から+39%。増加要因としては、昨年より早く桜が開花したことが要因と考える。 



 以下の図は2021年2月からの都道府県別外国人延べ宿泊数のランキングである。



 グラフの集計を2021年2月から集計。このランキングは在日外国人がどこの県に宿泊しているかがわかる貴重なデータだ。在日外国人の宿泊が少ない県というのは、インバウンド客にも人気がない県というのが明白なので、どのように県の観光の魅力を高めるのかを考える発射台としてほしいと思っている。何故かというと、過去のレポートでも述べたように、1日あたりの宿泊費と飲食代の相関は高いからだ。つまり、宿泊数が多く、宿泊単価が高ければその地域の飲食店への経済効果は高いと言える。なので、各都道府県はいかに外国人観光客に宿泊してもらえるような仕掛けを考える必要がある。


■今後のインバウンド市場の予想


引き続き、前回のレポートからの一般訪日観光客の受け入れのシナリオは以下の通りである。


メインシナリオ:2022年1月以降

楽観シナリオ:2021年10月以降

悲観シナリオ:2022年4月以降



【ポジティブ材料】

・日本でのワクチン接種加速期待

・日本政府の2030年訪日観光客数6000万人の目標

・欧米各国でのワクチン接種数の加速

・欧米、アジア各国で一般観光客の受け入れの再開



【ネガティブ材料】

・GoToトラベル事業の再開未定

・ワクチン接種の遅れ

・変異型の第4派懸念

・オリンピック・パラリンピックのネガティブな印象



 先月のレポートに引き続き、一般訪日観光客の受け入れシナリオに変更はない。先月からインバウンド関連には大きな変化はないが、アメリカを先頭に国を跨いだ人の動きが回復する動きを見せている。欧州が米国からの観光客の受け入れ、香港とシンガポールのトラベルバブルなどが開始。この背景にはワクチン接種があるからこそ。


 そのような中、日本はオリンピック・パラリンピックがあるのにも関わらず、ワクチン接種は遅れ、緊急事態宣言が再度発令される事態となっている。日々の新規感染者数報道や政府、地方自治体の自粛要請など、昨年のゴールデンウイークあたりと何も変わっていないように思われる。このような状況下では、到底インバウンドの受け入れなどは不可能であるとしか思えない。残念ながら、日本はコロナ敗戦国であることを認めざるを得ない。


 筆者の希望的観測では、今年の10月には全国民へのワクチン接種がある程度完了し、冬にはアウトバウンド(ハワイ旅行)が復活。それに応じて、水際の対策の緩和により一般訪日観光客の受け入れが再開されるだろうと考えている。ただ残念なことに、日本国政府はインバウンド復活の道筋も描けなく、ただ、SNS通して無駄な訪日キャンペーンを打ち出しているだけである。





筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事




会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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