News

  • Japan Localized

東京オリンピック・パラリンピック開催へ全力!2021年2月月次インバウンドレポート

Updated: Mar 31

2021年2月月次インバウンドレポート


2021年3月

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大



■2月の出来事要約


 2021年2月の訪日観光(インバウンド)のトピックとしては、新型肺炎COVID-19の感染者が全世界で1億人を突破も、新規感染者数の伸びは鈍化。日本では緊急事態宣言が3月7日まで延長されたものの、6府県が前倒しで解除。ファイザー社のワクチンが日本へ到着。医療従事者へのワクチン接種が始まる。


 東京オリンピック組織委員の森会長が女性軽視発言により辞任。後任は橋本聖子元五輪担当相となった。

日本政府観光局が発表した2021年1月訪日外国人客数は単月で46,500人となった。前年比は▲98.3%。



■2月主なインバウンド関係ニュース


・2021年1月訪日外国人客数は46,500人。ベトナムからの入国者が中国を上回った。引き続きベトナム・中国で全体を牽引。詳しくはこちらのレポートを参照。

・日本国政府は緊急事態宣言発令解除後も、ビジネストラック・レジデンストラックを1月14日からの一時停止措置を延長。詳細は外務省の国際的な人の往来再開に向けた段階的措置について参照。


・日本政府は緊急事態宣言全面解除後に、東京オリンピック関係者の入国制限を先行的に緩和検討。詳細はこちら


・東京オリンピック森会長が女性軽視発言で辞任。後任は橋本聖子元五輪担当相。一連の経緯はこちらを参照。


・国際オリンピック委員会のバッハ会長は東京オリンピックでの外国人観光客の受け入れ判断を4月終わりが適切と述べた。詳細はこちら


・成田空港は1日当たり4万人の入国客に対応できる施設の運営計画を検討。詳細はこちら


・東京商工リサーチによる第2回東京オリンピック・パラリンピックに関する調査によると、東京オリンピック・パラリンピックの中止・延期があわせて56%となった。詳細はこちら


・毎日新聞と社会調査研究センターが実施した東京オリンピック・パラリンピックを開催すべきかどうかのアンケ―トによれば、過半数が東京オリンピック・パラリンピックの「延期か中止」と回答。詳細はこちら


・高齢者向け2回分のワクチンは6月末までに全国配送の見通し。詳細はこちら


・欧州域内でワクチンパスポート議論開始。詳細はこちら(英語ニュース)。


・アメリカはデジタルワクチンパスポートの導入を検討。詳細はこちら(英語ニュース)。


・タイ観光大臣はワクチン接種で隔離検疫なしでタイへ入国できる仕組みを発表。2021年4月からの運営開始を目指す。詳細はこちら


・2021年1月にタイを訪れた外国人観光客は7,649人とコロナ渦で最多を記録。詳細はこちら

・日本百貨店協会が発表した2021年1月免税店売上高・来店動向速報によると、免税店売上高は前年同月比▲87.4%の約39.9億円となった。


・観光庁が発表した2021年1月の宿泊旅行統計によると、旅館、ホテル等の宿泊数は前年同月比▲51.1%の2,736万人泊。外国人は▲95.4%の45万人泊となった。



■2020年12月訪日外国人客数


以下のグラフが2017年-2020年までの訪日外国人客数である。



 日本政府観光局が発表した2021年1月の訪日外国人客数は1月単月で46,500人となった。同年前月比は▲20.8%と微増。前年同月比は▲98.3%となった。


 国別で見ていくと、アジアでは中国10,200人と先月から減少。ベトナムは20,000人と先月から+4,300人で中国を初めて上回った。韓国は2,500人と先月から微減。台湾は600人と先月から400人減。タイは700人と、先月から変わらなかった。


 英国300人、フランス600人、ドイツ400人と、先月からほぼ変わらずの水準。米国1,200人。先月と変わって、ベトナムからの入国者数で訪日客数をけん引した形となった。ベトナムが中国を逆転した。



■免税店総売上高の推移 

以下は百貨店協会が発表している免税店総売上高は以下の図の通り。


 2021年1月の訪日外国人数は水際の対策強化により、先月から減少。しかし、免税売上高は約39億円と先月の34億円に比べて増加。これで4か月連続の増加である。


 購入品の不動の1位は変わらず化粧品であり2位はハイエンドブランド。パスポート別購入者のトップは中国本土。以下台湾、香港、韓国と続く。



以下は購買客数と購買単価の図である。



 1月の購買客数は約1.1万人と先月から2千人ほど増加。一人あたりの購買単価は約33万円と3か月連続で減少。これは購買客数の増加に伴う単価の減少と考える。訪日観光客数は先月から減少し、緊急事態宣言発令されているにもかかわらず、購買客数は増加した。引き続き免税店での化粧品やハイエンドブランドの購買意欲の高さが伺える。


■外国人延べ宿泊者数


以下の図は観光庁が発表している宿泊旅行統計調査の外国人延べ宿泊数の月次推移である。


 直近発表の速報値では外国人延べ宿泊者数は約39万人と先月の50万人から▲22%。減少した要因としては、1月初より始まった緊急事態宣言とGoToトラベル事業の一時停止が影響しているからだろう。

以下の図は2020年緊急事態宣言後からの都道府県別外国人延べ宿泊数のランキングである。



 グラフの集計を2020年6月からとしており、コロナ前のデータを除くことによって、緊急事態宣言解除後からの各都道府県における外国人宿泊者数を把握できる。これは観光目的の入国制限をしている中、在日外国人がどこの都道府県に宿泊しているのかがわかる貴重なデータである。


 2020年6月から12月の累計でトップは東京都。次に千葉県、大阪府、沖縄県と続く。逆に徳島県、高知県、奈良県が下位3と、在日外国人が最も宿泊しない県となった。

過去のレポートでも述べたように、1日あたりの宿泊費と飲食代の相関は高い。


つまり、宿泊数が多く、宿泊単価が高ければその地域の飲食店への経済効果は高いと言える。なので、各都道府県はいかに外国人観光客に宿泊してもらえるような仕掛けを考える必要がある。




■今後のインバウンド市場の予想


 引き続き前回のレポートからの一般訪日観光客の受け入れのシナリオは以下の通り。シナリオの変更はなし。


メインシナリオ:2021年7月以降 

楽観シナリオ:2021年4月以降 

悲観シナリオ:2021年10月以降 



【ポジティブ材料】

・日本政府及びIOCが東京オリンピック開催へ前向き。ただし、無観客の場合はインバウンドへはネガティブ材料

・橋本聖子組織委員によるオリンピック開催への世論喚起

・日本でのワクチン接種開始

・緊急事態宣言発令解除の動き

・日本政府の2030年訪日観光客数6000万人の目標

・欧米各国でのワクチン接種数の加速



【ネガティブ材料】

・変異株に対するワクチン効果懸念

・オリンピック開催に対しての世論

・菅内閣の支持率低下で退陣の可能性。GoToトラベルやインバウンドに前向きな菅総理の退陣


 メインシナリオを2021年7月以降と先月から据え置き。日本政府はオリンピック開催に全力を注いでおり、それに伴いワクチンが普及したら一般観光客の受け入れが再開されると考える。また、海外でのワクチン接種が加速しており、欧州や英国・米国などでは一般観光客の受け入れ送り出しのスキームが議論され始めている。日本でもワクチン接種が開始され、緊急事態宣言も3月7日に解除の予定である。それに伴い、GoToトラベル事業が再開され、自粛ムードのモメンタムが緩んでいくと思われる。

 現在、2021年のインバウンド動向は完全に東京オリンピック次第であることは明白だ。それに対する報道が相次いでいるが、実際のスケジュールとしては以下の通りだ。

                                      ※日経新聞社より引用



 海外からの一般観光客の受け入れの判断はIOCのバッハ会長は4月―5月末まで、橋本五輪相は3月下旬頃に明らかにすると述べている。双方時期に相違があるものの、受け入れ側の日本は、海外からの一般観光客受け入れのオペレーションなどの準備もあるので、3月下旬でもギリギリになると筆者は考えている。


 海外からの一般観光客の受け入れには、陰性検査とアプリのダウンロードが必須になりつつあり、ここにワクチン証明が加わるかどうかが注目である。ワクチン証明、ワクチンパスポートには様々問題があり、欧米でも慎重な議論が行われているので、日本が先行してワクチン証明などを導入するのは考えにくいと筆者は考える。


 仮に東京オリンピック・パラリンピックは海外からの一般観光客受け入れずに開催されるのであれば、日本が一般観光客の受け入れるのは、最短でも2021年10月以降にずれ込むと考える。その理由としては、夏のバカンスまでには欧州と米国での観光客の往来が始まると考えられ、日本も遅ればせながら欧米の仕組みを取り入れ、海外一般観光客の受け入れを再開すると筆者は考えている。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。



85 views