２０２０年４月月次インバウンドレポート
２０２０年５月
執筆：宮本 大
■４月の出来事等
２０２０年４月の訪日観光（インバウンド）のトピックしては、中国武漢で発生した新型肺炎COVID-19の感染者が全世界で３００万人突破。日本では緊急事態宣言が発令され、また全世界の国・地域を対象とする４月末までの入国規制を５月末まで延長することが決定された。
■ツアー参加人数
参考に以下の図はツアーに参加した人数の前年比との比較。※４月はゼロ。
■シーズナリティーの考察
欧米豪南米の訪日観光客にシーズナリティーがある。我々では繁忙期と閑散期二つに分けている。繁忙期は３－５月、９－１１月の年２回。閑散期は１２－２月、６－８月の年２回。以下の図が２０１７年―２０１９年の欧米豪南米の月別訪日観光客数である。
上記のグラフの通り、過去３年間、欧米豪南米からの訪日環境客数のシーズナリティーは変わっていない。
では逆に日本のインバウンドの主要顧客であるアジア圏からの２０１７－２０１９年の訪日観光客数を見てみると、１月から７月にかけて観光客数の伸び増え、９月に底を打ってまた上昇していくようなシーズナリティーが見受けられる。
大雑把に言うと、我々のような欧米豪南米のインバウンドビジネスを行っている業者は、このコロナの影響で３－５月の繁忙期が無くなり、年間の約３０％程度の売り上げが吹き飛んだ事となる。またアジア圏のインバウンドビジネスを行っている業者も、日本国政府が入国制限を引き延ばした場合、もっとも稼ぎ時である４月―７月の約３５％強の売り上げが吹き飛ぶ可能がある。
実際の足元はどうなっているのか？日本政府観光局（JNTO）が出しているデータから２０２０年３月アメリカを例（地域ごとの総計の数値は２カ月後遅れ公表）に見てみると以下のような図となる。
アメリカらからの訪日観光客数は３月単月で▲８７％となっている。４月以降は▲９５％以上となる可能性があり、他国も同じような結果となる可能性が高いだろう。
■今後のインバウンド市場の予想
現在、全世界の国・地域を対象とする入国規制を５月末まで延長となった。仮に６月から入国規制が緩和されるとなれば、地域ごとの段階的な緩和になると予想する。その時点で海外でのコロナウイルス蔓延が収束に向かっていなければ日本に来るインバウンド客数は戻ってこないであろう。なので、日本政府が入国規制の段階的な緩和もしくは解除の時期を起点にインバウンド業者の事業の再開等が予想される。だた、インバウンド業者の中でもアジア圏をターゲットにしているのか、欧米圏をターゲットにしているのかで大きく戦略と戦術が大きく異なる事は留意しておかなければならない。
そして、次の考えておかなければならない事は、インバウンド市場はいつ完全復活するのかどうかという問いだ。２０１９年の訪日観光客が３．１千万人という数値を１００として、いつ１００に戻るのか、どう戻るのかを考える方法がある。
まず２０２１年の４月の桜のシーズン、７月に開催予定の東京オリンピック２０２１で２０１９年度単月比較で１００を超えられるかどうかがポイントになろう。また、どう戻るのかを考えた時に、欧米豪南米のインバウンド市場だけを見れば、２０２０年の９－１１月の繁忙期にどれぐらいインバウンド需要が回復するかを見なければならない。もちろん、前提にはコロナの終息及び日本の入国規制の解除がある。
今後のインバウンド市場の筆者個人の考えを紹介したい。中国の情報を正として、２０２０年１月コロナウイルス蔓延から２０２０年４月末に経済活動の再開（国内観光の再開）には丸４カ月かかっている（韓国も約丸３カ月）。この３－４か月が経済活動再開の目安として、日本及び各国に当てはめてみて考えた時に、どんなに早くても欧米は２０２０年の６月頃、日本も緊急事態宣言が５月末までの延長する可能性が高いので、経済活動の正常化は最短でも２０２０年の７－８月頃だと考えている。そこから海外旅行の余暇レジャーの活動がいつもどるのかを考えたとき、最短でも２０２０年の９月以降になる可能性が非常に高いと考えている。
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Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、＋５０，０００人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。
また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティングなど、幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。
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