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インバウンド受け入れは来年?-2020年8月月次インバウンドレポート

2020年8月月次インバウンドレポート



2020年9月

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大

■8月の出来事要約


 2020年8月の訪日観光(インバウンド)のトピックとしては、中国武漢で発生した新型肺炎COVID-19の感染者が全世界で2500万人を突破。日本では9月から在留資格を持つ外国人の再入国を全面解禁。また、シンガポールやマレーシアとのビジネス往来を再開予定。日本政府観光局が発表した7月訪日外国人客数は単月で3800人となった。



■ツアー参加人数

 弊社では現在当社のガイドラインに沿って在日外国人向けに東京と京都においてツアーを遂行。また、今後訪日予定の外国人向けにバーチャルツアーを運営。

参考まで以下の図はツアーに参加した人数の前年比との比較。※4月・5月はゼロ。




■8月主なインバウンド関係ニュース


・2020年7月訪日外国人客数は過去最低の3800人。これに関してはこちらのレポートを参照。


・日本国政府はシンガポールとマレーシアとのビジネス往来を9月上旬から再開を目指す方向で調整に入った。詳細は外務省の国際的な人の往来再開に向けた段階的措置についてを参照。


・タイが10月より一部の地域の長期滞在を条件として外国人観光客受け入れを再開を検討。記事の詳細はこちら


・ヨーロッパでコロナ患者数増加が再び増加。それに伴い再び入国制限が厳格化。詳細記事はこちら


・日本百貨店協会が発表した7月免税店売上高・来店動向速報によると、免税店売上高は前年同月比▲88.7%となった。


・安倍総理大臣の辞任を受けて、9月14日に自民党総裁選、それを受けて17日に臨時国会を召集し、新首相を選出する予定。





■2020年7月訪日外国人客数


 以下のグラフが2017年-2020年までの訪日外国人客数である。



 前年同月比は▲99.9%、同年前月比+46%となり、今後は上昇していくと考えられる。国別で見ていくと、アジアでは中国:800人と先月の300人から大幅に増加。また入国制限を緩和したベトナムは600人。韓国:300人、台湾:100人、英国:60、フランス80人、ドイツ:50、米国:400人、カナダ30人となった。どの国も先月から増加となった。



■今後のインバウンド市場の予想


 引き続き厳しい入国制限は続くも、ビジネスに限った渡航や在留資格者の出入国の解禁など国を跨いだ人の移動制限が緩和されはじめた。また訪日外国人客数や全国百貨店売上高概況を見れば最悪期は脱したと考えられる。しかし、観光客の受け入れはまだまだ時間がかかると思われる。


 前回のレポートでは、海外からの一般訪日観光客の受け入れのメインシナリオを12月以降、楽観シナリオは9月、悲観シナリオは2021年4月としていたが、今月見通しを以下の様に変更したい。


メインシナリオ:2021年3月以降

楽観シナリオ:2020年12月以降

悲観シナリオ2021年7月以降



 今回で2回目の見通し変更となった。今までは筆者個人的な淡い期待感があり、インバウンド受け入れは年内と考えていたが、その期待感を外して今回の見通しを作成するに至った。そのシナリオを作成するにあたって、以下の点を材料としている。



【ポジティブ材料】


・次期新内閣の政策方針。基本的に2030年訪日観光客数6000万人の目標は変わらないと思われる。また、感染症対策と経済対策を同時に行っていく政府の方針が続くと思われるので、ビジネス往来国が徐々に増えていくと考えられる。


入国時のPCR検査体制の整備に時間を有すること。報道では空港に羽田、成田、関西空港でのPCR検査が一日最大1万件の検査体制が整うと。


・欧米日中の製薬会社でコロナウイスルワクチンの開発競争が進んでおり、アメリカのファウチ氏はワクチンは今年の終わりか来年のはじめに完成するという見通しを示している。また、イギリスや中国でも開発中のワクチンも最終段階に入っている。


・コロナウイスル感染症分科会での2類相当の対応見直しが協議されている。今後の動向が注目される。


・タイ国の一部地域における長期滞在者に限っての観光客受け入れを検討している。ヨーロッパ以外の地域や国では一般観光客の入国拒否している国が大半だが、タイの取り組みがどうなるのかは引き続き注視したい。


【ネガティブ材料】


・世界でのコロナウイルス感染者数の動向。引き続きアメリカやブラジル、インドでの感染拡大が進んでおり厳しい状況は続く。また、EUでも再び移動制限が掛けられているのを見れば、国境を跨ぐ人の移動制限緩和はまだ先になる可能性がある。


・日本国内の感染者増加が収まらないので他国が日本への渡航禁止を延長する可能性が高くなる。また日本人の入国拒否が延長される可能性もありうる。


・東京オリンピック開催の有無の判断時期が10月―11月という報道があったが、新政権とIOCがどう決断するのか。それは全てワクチン開発の動向に掛かっていると思われる。

ただ、無観客での開催の可能性もあり、日本から率先して中止という判断は下さないと思われる。また、米国の意向もあると思われるので、11月の大統領選後に判断されると個人的に考えている。


・インフルエンザの流行時期におけるコロナの感染状況。個人的にこれが一番の懸念事項と考える。



 先月から引き続き一番の懸念事項は国内でのコロナ新規感染者数が減っておらず、各国との入国制限緩和交渉が難航しているのではないかという懸念がある。入国制限の協議は双方の国同士の感染者数が低位に推移している状況が前提だからだ。ただ、今の日本の状況をみると、感染症対策と経済回復を同時に進めていく方針に舵を切っており、再び緊急事態宣言や国が自粛を要請することは考えにくい。またGoToトラベルキャンペーンによって、旅行することや旅行客を受けいれる抵抗感をなくす地ならしも行っており、政府は今後海外からの一般観光客を受け入れる準備を着々と整えていると考える。ただ、これから本格的にインフルエンザ流行時期をむかえるにあたって、どうコロナ感染を抑えられるのかが、懸念事項である。

 また、「DBJ・JTBF アジア・欧米豪 訪日外国人旅行者の意向調査 (2020年度 新型コロナ影響度 特別調査)」などでコロナ後訪問したい国で日本が上位に入るという調査もあるが、これは楽観的過ぎると思われる。Travel Daily Newsなど海外の会社やメディアの調査を見れば、コロナ後に旅行したい国や地域の上位に日本は入っていない。コロナ後の国を跨ぐ観光は各国激しい観光客争奪戦となり、コロナ後を見据えてどのようなお客様に日本に来てもらいたいかを明確化し、戦略的に訪日観光のプロモーションを行うべきである。




筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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