top of page

News

  • Writer's pictureJapan Localized

インバウンドの回復はいつなのか?2020年6月月次インバウンドレポート

2020年6月月次インバウンドレポート

2020年7月

執筆:宮本 大


■6月の出来事要約


 2020年6月の訪日観光(インバウンド)のトピックとしては、中国武漢で発生した新型肺炎COVID-19の感染者が全世界で1000万人を突破。日本で都道府県を跨ぐ移動自粛が解除となった。また日本国政府は入国規制緩和の第一弾としてベトナムへ臨時便を運航。日本政府観光局が発表した5月訪日外国人客数は単月で1700人という過去最低の数値を記録した。




■ツアー参加人数

 弊社では、都道府県の移動を跨ぐ移動自粛解除を受け、東京と京都においてツアーを再開。当面の間はツアーの回数を減らし、当社のガイドラインに沿ってツアーを実施。

参考までに以下の図はツアーに参加した人数の前年比との比較。※4月・5月はゼロ。





■6月主なインバウンド関係ニュース


・2020年5月訪日外国人客数は過去最低の2900人。これに関してはこちらのレポートを参照。

・政府はベトナム、タイ、オーストラリア、ニュージーランドからの出入国制限の緩和交渉に入った。第一弾として、ビジネス目的の渡航としてベトナムへ臨時便が出発。

・タイ政府は7月からビジネス目的などの渡航者受け入れを協議。日本、香港、シンガポール、韓国と中国の一部地域からの訪問者は、トラベルバブルとして入国を認める方向へ。

・6月29日に、「水際対策強化に係る新たな措置」が決定され、6月末までの間実施することとしていた、査証制限措置がとられていた国・地域に対する査証制限等の措置を7月末日まで延期。また新たに18か国を追加。

・EUは7月1日から日本からの入国規制を解除。夏の観光シーズンに向けた施策か。記事はこちら。

・ドバイも出入国条件を緩和。7月7日から観光客受け入れ。記事はこちら。

・大丸松坂屋の年間のインバウンド売上はゼロを想定。大丸心斎橋店の昨年度のインバウンド売上比率は39.9%。大丸松坂屋全体のインバウンドの売上比率は9.4%。記事はこちら。



■2020年5月訪日外国人客数


 以下のグラフが2017年-2020年までの訪日外国人客数である。



 4月同様、前年同月比は▲99.9%。国別では、中国30人、台湾10人未満、英国10人未満、アメリカ50人、ドイツ10人未満等。今後6月、7月発表の数値も前年同月比▲99.9%の減少と厳しい数値が続くであろう。



■今後のインバウンド市場の予想


 全世界の国・地域を対象とする入国規制が7月末まで延長となり、厳しい入国制限は続く。ビジネスに限った渡航はベトナムが第一号となったが、定期便ではなく臨時便となっている。まだ他の国も厳格な入国制限をかけており、日本国政府の交渉は難航すると思われる。

 前回のレポートでは、「海外旅行の余暇レジャーの活動がいつもどるのかを考えたとき、最短でも2020年の9月以降になる可能性が非常に高いと考えている」、と4月からの予想を据え置いたが、足下の状況を踏まえて、海外からの一般訪日観光客の受け入れを9月以降から12月以降へ変更する。それをメインシナリオと置きたい。予想の変更の理由としては、

①世界でのコロナウイルス蔓延が加速しており、日本政府が入国制限解除に慎重にならざるおえない状況まで悪化していること

②緊急事態宣言の解除や都道府県を跨ぐ移動の自粛解除によって日本でのコロナウイルス感染者が再び増加傾向にあり、他国が日本への渡航禁止を延長する可能性

入国時のPCR検査体制の整備に時間を有すること

④EU圏内で再び感染者が増加し、再び厳格なロックダウンの可能性があり、西側先進国の観光ムードに水を差す可能性

 以上の点から一般訪日観光客の入国制限が解除されるのは2020年12月をメインシナリオとしたい。楽観シナリオは以前の予想通り2020年9月。考え方としてはトラベルバブル交渉が進展し、またEUからの観光客も緩和の対象となり一気に入国制限緩和が加速する考え方をベースとしている。悲観シナリオは2021年4月。コロナウイルス第2波、3波が世界及び日本国内で起こりワクチン開発までの入国制限の緩和は行わないとする考えをベースとしている。いずれのシナリオにしても、インバウンド業界はまだまだ厳しい状況下に晒されている。

 また、さまざまなサイトでインバウンドの回復はいつなのか?というアンケート調査等が散見されるが、回復の定義が曖昧なので、何をもって回復なのかを決めなければならない。私は2019年の3千万人の訪日観光客数の60-80%まで来たら回復だという感覚である。それをインバウンドの“回復”と定義したい。

■会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティングなど、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

55 views

Comments


bottom of page