2020年12月訪日外国人客数
2021年1月
執筆:インバウンドアナリスト
宮本 大
日本政府観光局が発表した2020年12月の訪日外国人客数は12月単月で58,700人となった。同年前月比は+3.5%と微増。前年同月比は▲97.6%となった。
また、2020年の訪日客数累計は411万人となり、前年比▲87.1%となった。
国別で見ていくと、アジアでは中国18,400人と先月から微増。ベトナムは15,700人と先月から+1,000人。韓国は2,800人と先月から変わらず。台湾は1,000人と先月から200人減。タイも700人と、先月から減少。
英国400人、フランス500人、ドイツ300人と、先月からほぼ変わらずの水準。米国1,300人。先月と同様、中国とベトナムからの入国者数で訪日客数をけん引した形となった。その他の国からは大きな変化はなかった。
以下の図は北南米・欧州・豪州の地域合計の2020年10月分まで反映。
以下の図はアジア地域合計の2020年10月分まで反映。
日本政府は10月より原則として全ての国から新規入国を許可していたが、水際対策の強化により、2020年12月28日から2021年1月末まで原則として全世界からの新規入国を拒否。その影響もあり、12月の訪日客数は先月より微増となったと考えられよう。ただし、12月はビジネストラックでの入国は停止していない。
引き続き中国とベトナムからの訪日客数が全体を牽引しており、欧米諸国や他のアジア地域からの訪日客数には大きな変化はなかった。また、変異株が見つかった英国からの入国者も11月から+100増の400人であった。
2021年に入り、欧州では新型コロナの変異株が猛威を振るい、日本も緊急事態宣言を発令。また、水際対策の強化によりや緊急事態宣言期間中のビジネストラック・レジテンストラックの14日間の待機期間の緩和を停止。これにより、再び訪日客数は大幅に減ると予想する。この水際対策に強化は1月末までだが、延長される可能が高い。
2020年の411万人という訪日客数であったが、2021年も厳しい数値になることが予想され、今後の東京オリンピックの開催の有無次第では2021年の訪日客数に大きな影響を与えよう。政府が目標に掲げる2030年6,000万人はいつか達成する可能性はあるが、訪日客数を伸ばすのではなく、観光客の体験の質を上げる事にシフトするべきだと考える。
詳しくは月次レポートを参照。
筆者紹介
・立命館大学卒
・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社
・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当
・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)
・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事
会社紹介
Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。
また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。
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