top of page

News

Writer's pictureJapan Localized

日本開国に備えよ!インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

10月第4週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し





今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報


インバウンド銘柄の主な材料は:


・ANAは22年3月期2Q決算を発表。売上は前年同期比48%増の4311億円、純損益は▲1155億円(前期は▲2686億円)の赤字。国際貨物は需要の確実な取り込みにより過去最高の売上を更新したものの、旅客需要の回復が想定を下回り、厳しい上期決算となった。また、上期の逸失収益を下期でカバーできないとして通期の業績予想を下方修正。通期で35億円の純利益を見込んでいたが、▲1000億円の赤字に修正した。固定費はコロナ禍前に比べ約3割減少しているものの、旅客需要の回復が想定より遅れているため、数千人規模の人員削減を検討している。


・オリエンタルランドは22年3月期2Q決算を発表。売上は前年同期比65%増の975億円、純損益は▲185億円(前期は▲247億円)の赤字となった。チケットの値上げなどで1人あたりの単価は上昇したものの、感染拡大防止のための入場制限などが響いた。これまで非開示であった通期業績予想を開示。売上は前期比40%増の2390億円、純損益▲175億円を見込む。年間配当は26円(昨年と同額)を予定している。発表。緩和によりランドで2時間、シーで3時間営業時間が伸びる。また、入場者数は現在1万人までとしているが、10月25日から段階的に上限を引き上げていく予定である。


国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・JR東海は22年3月期2Q決算を発表。売上は前年同期比14%増の3869億円、純損益は▲444億円(前期は▲1135億円)の赤字決算となった。6~9月期の運輸収入はコロナ禍前の18年度比45%までの回復を見込んでいたが、実績は39%と想定を下回った。通期業績予想を2回目の下方修正。純利益150億円の黒字から▲300億円の赤字に修正した。年間の運輸収入については、18年度比59%の見込みから52%にとどまると見直した。運輸収入の立ち上がり時期を11月頃とし、4Qに向けて回復していくことを想定している。


・HISは21年10月期の通期業績予想を発表。売上高は 前期比約7割減の1250 億円、営業損益は ▲630 億円(前期は▲311億円)、純損益は ▲530 億円(前期は▲250億円)を見込み、過去最大の赤字幅となる。主力の海外旅行需要が大幅に落ち込んでいることが響いている。未定としていた年間配当は無配にする。また、同社が提出した届出書によると、第三者割当増資と新株予約権の発行で約215億円を調達する。割当先は沢田社長や海外ファンドで、調達資金は運転資金や本社買い戻しのための積立などに充てる。




10月4週目の株式相場のまとめ


主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1989.45 高値2023.86 安値1979.93 終値2001.18 (▲1.05)

予想PER15.94 予想PRB1.19 予想EPS 125.54

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値28,527.19 高値29,160.76 安値28,472.55  終値28,892.69 (+87.84)

NT倍率14.43

日経平均株価とTOPIXの株価チャート

 衆議院選挙を控え、その結果待ちの様子見ムードの中、企業決算発表を受けた個別物色が強かった一週間であった。また、日銀政策金融決定会合や、TOPIXのリバランスなどの需給イベントがあったものの、日経平均株価は先週に引き続き29,000円を挟んだ動きとなった。そのよう中、アメリカ株は最高値を更新、ドル円は114円台と円安が進行した。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス


インバウンド・旅行関連銘柄の週間パフォーマンス


以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。 


インバウンド株価パフォーマンス

 モニタリングをしているインバウンド関連銘柄は引き続き寿スピリッツが堅調に推移。また、赤字決算を発表したオリエンタルランドは赤字幅縮小と緊急事態宣言発令解除に伴う営業時間の延長による業績回復期待からのあく抜け感から株価は堅調に推移した。一方最終損益が1000億円の赤字となる見込みと報道があったANAは軟調な週後半から軟調な動きとなった。



国内旅行株パフォーマンス

 モニタリングをしている国内旅行関連銘柄は総じて堅調な動きであった。期待先行買いの利益確定売りが一巡した。また連日新規コロナ感染者数が減少していることも、心理的サポートとなった模様。



11月1週目の材料

1日

製造業PMI(欧)

ISM製造業景況指数(米)

2日

3日

日本市場休場

ユーロ圏非製造業PMI(欧)

ADP雇用統計(米)

耐久財受注(米)

ISM非製造業景況指数(米)

FOMC(米)


4日

新規失業保険申請件数(米)


5日

雇用統計(米)



株式相場の見通し


 週末に衆議院選挙が終わり、与党が過半数を確保した場合は、11月10日に特別国会を召集する予定で会期は3日間程度。それまでに国政は大きく動き出す可能性があり、その報道によっては株も動意づく可能性がある。今は特に経済対策の具体案がかけており、外国人が日本株を買いにくい理由ともなっていると考えるが、選挙後にある程度経済対策の具体案が見えてくれば、日本株にとってはポジティブ材料になろう。


 そのよう中、海外も重要イベントが続く。11月のFOMCや米国での重要な経済指標発表がある。加えて日本企業の決算発表が本格化。足元の日本企業の業績はよく、個別物色も続くと考える。TOPIXのPERは16倍割れと値ごろ感がある水準でもある。


 インバウンド・旅行関連銘柄は選挙後の日本の入国制限に関する方針やGoToトラベルの報道によって動意づく可能性がある。各社厳しい経営環境が続くが、あく抜け感から業績の回復の期待感で再び株価は上昇すると考える。その波に乗り遅れないようにしたい。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

 Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。


 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

Comments


bottom of page