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テーパリング加速で資金の巻き戻しを警戒せよ|インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

11月第3週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し


今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報


インバウンド銘柄の主な材料は:


・力の源ホールディングスは22年3月期2Q決算を発表。売上は前年同期比24%増の87億円、営業利益は2.6億円(前期は▲9億円)、純利益は1億円(前期は▲19億円)。店舗効率化やコスト削減により黒字に転換した。国内ではデリバリーやテイクアウトを強化したものの、時短営業の継続により売上が計画比で若干下回った。海外では、欧米においてロックダウンが解除され売上が回復した。また、前期に不採算店舗を閉鎖したことが損益改善につながった。通期業績予想(純利益2億円)は据え置いた。


・Jフロントリテイリングは、大丸松坂屋百貨店の足もと11月の既存店売上についてコメントした。14日までの累計で対前年12%増(対前々年▲4%減)で推移。入店客数の増加やラグジュアリーブランドの売上が好調なことが、前年比増加の要因となっている。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・JR東海は東海道新幹線の11月中旬までの利用状況を発表。16日までの利用状況は前年比12%増となった。コロナ禍前の前々年比では45%減で、前月の51%減から回復傾向にある。


・星野リゾート投資法人は新たに投資口を発行すると発表。総額136億円の資金調達となり、調達資金は「界 霧島・別府」の2物件の資産組み入れに充てる。


・HISは農業プロジェクトの始動を発表。埼玉県蓮田市にて現地企業の協力のもとミニトマトの栽培・マーケティングの実証実験を開始する。



11月3週目の株式相場のまとめ


週初の寄り付き前に日本の第三四半期GDPが発表され、前期比▲0.8%、前期比年率換算▲3.0%と、市場予想を下回る大きな下げ率だったものの、株価への反応は限定的だった。一週間を通して市況関連である、海運や鉄鋼株の下落が目立った一方、ハイテク株の上昇が目立った。先週から引き続き、日経平均株価は3万円手前で売り圧力に押される展開となった。


 旅行・インバウンド関連銘柄は総じて軟調な一週間であった。特に下落が目立ったのは、JALとANAの空運2社と、HISやベルトラなどのアウトバウンド銘柄だった。これはアウトバウンド、インバウンドの復活が後ずれし、先行していた期待が剥げ落ちたと考えられよう。



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値2052.72 高値2062.81 安値2024.38 終値2044.53 (+3.93)

予想PER14.55 予想PRB1.13 予想EPS 140.51

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値29,807.37 高値29,960.93 安値29,402.57  終値29,745.87 (+135.9)

NT倍率14.54

Topixと日経平均株価のチャート

インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス


以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


インバウンド株のパフォーマンス

 モニタリングをしているインバウンド関連銘柄は総じて軟調な展開であった。一方国内旅行の回復期待や行動制限の緩和期待で、レジャー関連のオリエンタルランドと富士急行の株価は堅調に推移した。



 モニタリングをしている国内旅行関連銘柄は総じて軟調な展開であった。特にHISやエアトリ、オープンドアの下落が目立った。これは期待先行相場が終わった事を示しているのではないかと考える。



11月4週目の材料

22日

23日

日本休場

ユーロ圏製造業PMI(欧) ユーロ圏非製造業PMI(欧)


24日

GDP改定値(米)

耐久財受注(米)

新規失業保険申請件数(米)

FOMC議事録(米)


25日

景気先行指数(日)

新築住宅販売件数(米)

26日


株式相場の見通し


 日経平均株価は3万円の大台節目目前で重たく展開が続く。岸田内閣の経済対策も材料視されず、日本の経済成長期待がない中、TOPIXのPERが切り下がっていく。そのよう中、日本株を横目に、マーケットはアメリカのインフレ率の急上昇によるテーパリングの加速と早期利上げを懸念している。パウエルFRB議長は「インフレは限定的」と強調しているものの、緩和マネーの巻き戻しが起こり始めていると考えてもいいだろう。仮に本格的な巻き戻しが起これば、売られる順番は仮想通貨、商品、株式、不動産の順番になるだろう。当分は仮想通貨と商品市況の値動きを注視するべきだと考える。また、今週発表されるFOMC議事録や次期FRB議長の人事関連のニュースにも注意が必要だろう。


 インバウンド・旅行関連銘柄はGoToトラベルが来年1月から再開されるニュースでの出尽くし感で、期待が先行していた分を下げる展開が続くのではないかと考える。特に個別銘柄の業績を見ていくと、相当厳しい経営環境がしばらく続くと考えられ、収益構造とバランスシートの中身を詳しく精査していく必要があるだろう。安易に期待先行で買うべきではないと考える。


筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事


 

会社紹介

 Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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