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鉄道株は出遅れ感がある。5月第4週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

5月第4週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し


2021年5月30日

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大


主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1903.54 高値1949.28 安値1903.54 終値1947.44 (+42.75)

予想PER17.62 予想PRB1.32  予想EPS 110.52

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値28,212.32 高値29,194.11 安値28,212.32 終値29,149.41 (+831.58)

NT倍率14.96




インバウンド及び国内旅行関連銘柄の動き

インバウンド銘柄の主な材料は:

・JALは4月の運輸実績を発表。国際線の利用率は16.8%、国内線は45.4%となった。旅客数は国際線が前年比2.8倍、国内線が同3.0倍。新型コロナ影響前の一昨年比では国際線が5.7%、国内線が34.8%。前年を大きく上回ったものの、新型コロナの影響により、大幅な例年割れが続いている。


・ANAは国内線6月の追加減便を発表。6月の運航率は、コロナ前の20年度計画比51%となる。羽田空港の発着便を中心に、大阪や名古屋発着の路線なども減便する。


・オリエンタルランドは東京ディズニーランド・シーの時短営業を6月20日まで継続すると発表。新型コロナウイルス感染防止対策で、営業時間を午前10時~午後7時とする措置を続ける。5月17日に、開園を1時間遅らせ、閉園を1時間早める時短営業を開始している。


国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・JR東海は、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の提言に賛同すると発表。TCFDの提言に基づき気候関連財務情報の開示を進めていく。ディーゼルエンジンと電力を組み合わせて走るハイブリッド方式の新型特急車両「HC85系」を導入するなど、鉄道の省エネルギー化に力を入れている。今後はより一層のCO2排出削減に取り組む。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス



5月4週目の株式相場のまとめ


 仮想通貨相場が落ち着き、米国株は最高値での利益確定売りに押されながらも景気回復期待で高値圏推移。重要指標や材料がなかったものの、投資家心理がやや改善した。日本株も上値が重たい日が続いたものの、MSCIのリバランスの需給イベントをこなし、週末大幅高となり、29000円台を復活した。


 そのような中、緊急事態宣言が延長される報道もありながらも、インバウンド・旅行関連株は全面高の展開となった。特にエアトリが連日上場来高値を更新し、アフターコロナから業績急回復を意識した物色が入った。



インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き


以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。



 緊急事態宣言が延長される報道もありながらも、アフターコロナを意識した買い物色が入った。特に出遅れていたオリエンタルランドなどの上昇が目立った。また、厳しい経営環境に置かれているJフロントリテイリングなど百貨店、マツモトキヨシのドラッグストアの株価上昇も目立った。 



以下の図は国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 緊急事態宣言延長報道もありながらも、国内旅行関連株への物色が続く。特にエアトリは業績拡大も好感され、他銘柄を大きくアウトパフォーム。オープンドアも続く。HISやKNTCTも追随するが、アフターコロナでもコスト構造が業績回復の重石になることが意識されている。そのような中、JR東海などの鉄道株が最後の出遅れとなっている。



6月1日週目の株の材料と動き


31日

百貨店スーパー販売額(日)


1日

ISM製造業景気指数(米)


2日

景気先行指数(日)


3日

ADP雇用統計(米)

新規失業保険申請件数(米)

ISM非製造業景気指数(米)


4日

ユーロ圏小売売上高(欧)

雇用統計(米)



筆者の個人的見解 


 週末日本株は大きく上昇し、29000円台に戻ったものの、今度もアメリカ株の動向に振り回させるだろう。アメリカ株は最高値圏にあり、S&P500種のバリュエーションの修正がいつ起きてもおかしくない。また、今週はISMや雇用統計などの重要指標が続き、インフレ圧力による金利上昇に警戒しておかなければならない。


 日本株は出遅れ感があるものの、足元のバリュエーションは丁度いいと筆者は考える。ここからもう一段上を目指すのなら、さらなる増収増益とEPS成長が示せるかどうかと考える。また、日銀ETF買いのステレステーパリング論なども心理的にネガティブ要因となっている。日本のインフレが低位に推移しているのであれば、日銀のテーパリングなどありえない。


 インバウンド、旅行関連銘柄はワクチン接種後の業績回復の織り込みが続くだろう。目途は緊急事態宣言発令期間の来月の20日までだろう。それ以降は個別銘柄の業績相場になると考えるので深追いには気を付けたい。




筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。


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