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旅行関連株への物色は始まっている!5月第3週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

5月第3週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し



2021年5月21日

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1897.23 高値1912.10 安値1869.93 終値1904.69 (+21.27)

予想PER17.24 予想PRB1.29  予想EPS 110.48

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値28,310.46 高値28,481.17 安値27,632.53 終値28,317.83 (+233.36)

NT倍率14.86



インバウンド及び国内旅行関連銘柄の動き

インバウンド銘柄の主な材料は:

・Jフロントリテイリングは大丸松坂屋の5月既存店売上についてコメント。16日までの累計で対前年366%増。前年は5月6日まで6店舗で全館臨時休業していたこと等による反動が増加の要因。今年も関東・関西の一部店舗で臨時休業を実施していることから、対前々年▲57%と厳しい状況が続く。


・ANAは発行可能株式総数を現在の5.1億株から10.2億株へ倍増させると発表。昨年度の公募増資で、発行済み株式総数が上限に近づいており、将来の資金調達手段の選択肢を広げることが理由。またANAは、スマートフォンアプリで仮想空間内の旅行などを楽しめるサービスを2022年に各国で同時に提供を始めると発表。2025年度に3,000億円規模の売り上げを目指す。


・マツモトキヨシは4月の月次売上を発表。既存店は前年同月比1.6%増、全店は同4.4%増となった。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・東海道新幹線5月(17日まで)の利用状況は前年比339%となった。コロナの影響を受ける前の前々年比では28%。会社の業績予想では1Qの運輸収入は前々年比40%を見込んでおり、足もとまで会社の予想を下回る推移になっている。


・星野リゾート投資法人は長門湯本温泉に2020年3月再生開業した「界 長門」の取得を発表。取得に伴いスポンサーの星野リゾートに対して第三者割当増資を行う。調達額は19.6億円。また、同物件の取得により21年10月期の業績予想を上方修正した。営業収益は45億円→48億円、純利益は13億円→14億円にそれぞれ上方修正し、1口当たり分配金も5,987 円→6,338円に増額した。併せて22年4月期業績予想を発表。前期の物件売却益がなくなる一方、新規物件の通期稼働、変動賃料の増額により、前期予想比12.1%増益を見込み、1口当たり分配金は7,105円となる見通しとなる。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス




5月3週目の株式相場のまとめ


米国のインフレ懸念が一服し、決算発表も一巡したものの、仮想通貨ビットコインがイーロンマスク氏のツィートや中国政府が規制するという報道から大きく下落。それにつられるように米国株式などが下落する日もあった。


 日本株は先物主導で買われる場面も見られたが、蔓延する変異株やワクチンの接種遅れが嫌気され、上値が重たく、米国株の下げには付き合う形であった。


 そのような中、インバウンド・旅行関連株は先週の大幅な下げからの自律反発もあり、ほとんどの銘柄がTOPIXを上回る展開となった。




インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。



 決算発表が一巡し、先週の下げからの自律反発もあり、インバウンド関連銘柄は堅調に推移。緊急事態宣言が発令され厳しい経営環境におかれているにも関わらず、大丸松坂屋を運営するJフロントリテイリングや寿スピリッツの株価は上昇。JALとANAの空運株は週初堅調だったものの、ANAが発行可能株式総数を現在の5.1億株から10.2億株へ倍増させると発表しことを受け、上値が重たい展開となった。


以下の図は国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 緊急事態宣言発令中にもかかわらず、旅行関連銘柄は堅調に推移。特に先週末に決算発表をしたエアトリ株が大幅に上昇。それに続きオープンドア、藤田観光のパフォーマンスも目立った。国内旅行関連株もワクチン接種後の経済活動再開を織り込みにいっている。



5月4週目の株の材料と動き


24日

25日

新築住宅販売件数(米)

コンファレンスボード消費者信頼感指数(米)


26日

景気先行指数(日)


27日

耐久財受注(米)

新規失業保険申請件数(米)

MSCIスタンダード指数構成銘柄見直しに伴うリバランス※約6000億円資金流出


28日

完全失業率(日)

PCEコアデフレーター(米)




筆者の個人的見解 


バブルの象徴であるビットコインの急落で投資家心理が悪化した一週間であった。また、コロナかで盛り上がったテーマ株のパフォーマンスが悪く、バリュエーションの修正が始まったと考える。市場の最大の関心はFEDのテーパリングであり、インフレ関連指標や要人発言に神経質になっている。パウエル議長やイエレン財務長官はハト派姿勢を崩さないものの、超金融緩和と財政出動による景気回復に伴うインフレ圧力が強まるにつれ、マーケットとの対話を通じてテーパリングへの地ならしが始まると考える。


 相場は金融相場から業績相場へ移ってきており、今まで続いて上昇トレンドが一服したと考える。今後は高すぎるS&P500指数のPERが修正される可能性が大いにあり、積極的に買い姿勢というより、キャッシュポジションなどの余力を持っておく事を意識するべきだろう。


引き続き米国のSell in Mayやマージンデットに注視しながら、国内株は低PER、低PBR、高ROE、高EPS成長の割安株や成長株の押し目を拾っていく戦略でいいと思っている。


インバウンド、旅行関連銘柄はワクチン接種後の業績回復を織り込み始めている。その波に一旦乗ってみてもいいかもしれないが、銘柄選びに注意を払いたい。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

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