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インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報を月次のインバウンドレポートに統一します|5月第2週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

※お知らせ

次回より、インバウンドレポートに集約致します。



今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報

インバウンド銘柄の主な材料は:

・JALとANAはGW期間中の利用旅客数を発表。国内線の旅客数はコロナ禍前の19年比で7~8割まで回復した。一方で国際線は同3割程度の回復に止まっている。


・富士急行は22年3月期末決算を発表。営業収益は350億円、営業利益は7.6億円(前期は▲30億円)、純利益は3.7億円(前期は▲27億円)と黒字転換した。事業別の損益は、運輸業が▲12億円(前期は▲29億円)、不動産業が前期比33%増の10億円、レジャーサービス業が10億円(前期は▲6億円)とそれぞれ改善している。23年3月期の通期業績予想は営業収益416億円、営業利益35億円、純利益14億円の増収増益を見込む。年間配当は2円増配の12円を予定している。


・資生堂は22年12月期1Q決算を発表。売上は前年同期比1%減の2,340億円、本業の儲けを示すコア営業利益は同52%減の43億円と半減した。欧米では需要回復を捉え、売上・利益ともに伸びたが、日本・中国の回復の遅れが響き減収となった。また、同社は22年12月期の通期見通し(IFRS適用)を開示。売上1兆円、コア営業利益620億円、純利益44億円を見込む。


・マツキヨココカラ&カンパニーは22年3月期末決算を発表。売上は前期比34%増の7,299億円、営業利益は同31%増の414億円、純利益は同60%増の345億円となった。10月にココカラファインと経営統合したことから増収増益だったものの、既存店売上は前年割れが続いている。インバウンド喪失に加え、ハンドソープなどの感染対策商品の反動減が響いている。23年3月期の通期の業績予想は、売上9,500億円、営業利益530億円、純利益350億円を見込む。年間配当は10円増配(記念配当分)の80円を予定している。


・寿スピリッツは22年3月期末決算を発表。売上は前期比39%増の321億円、営業利益は14億円(前期は▲23億円)、純利益は19億円(前期は▲5億円)と黒字に転換した。年末商戦など季節イベントの需要を取り込んだことが奏功した。また、通信販売が前期比44%増の42億円まで伸長したことが収益を押し上げた。23年3月期の通期業績予想について、売上は前期比31%増の420億円、営業利益は同3.7倍の51億円を見込む。年間配当は前期と変わらずの30円を予定している。


・力の源ホールディングスは22年3月期末決算を発表。売上は前期比17%増の193億円、営業利益は10億円(前期は▲9億円)、純利益は9億円(前期は▲23億円)。店舗効率化やコスト削減により黒字に転換した。国内では時短営業の継続により、前期並みの売上となったが、海外では、欧米においてロックダウンが解除され売上・利益ともに回復した。23年3月期の通期業績予想は売上237億円、営業利益13億円の増収増益を見込む。年間配当は未定とした。


国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・KNT-CTホールディングスは22年3月期末決算を発表。売上は前期比59%増の1,399億円、営業損益は▲76億円(前期は▲270億円)、純損益は▲57億円(前期は▲284億円)と赤字が縮小した。旅行関連の売上は低迷したものの、PCR検査関連の受託事業が売上回復に貢献した。また、国内91店舗を閉鎖するなどの構造改革が損益改善に寄与した。23年3月期の通期業績予想は、売上2,590億円、営業利益40億円の黒字転換を見込む。


・藤田観光は22年12月期1Q決算を発表。売上は前年同期比55%増の79億円、営業損益は▲22億円、純損益は▲13億円となった。主力のワシントンホテル事業は、入国・帰国時の一時宿泊利用の取り込みで稼働率・ADRともに改善。他事業では、ホテル椿山荘の婚礼部門が好調だった。22年12月期の通期業績予想(▲59億円の最終赤字)に変更はない。


・エアトリは22年9月期2Q決算を発表。売上は前年同期比39%減の68億円、営業利益は同26%減の14億円、純利益は同13%減の11億円。連結範囲の変更等により減収となったが、実質の営業利益ベースでは過去最高益となった。主力の旅行事業は足もとの需要を取り込み、安定的に収益を確保。ITオフショア開発事業、投資事業などの事業も堅調に推移しており、事業ポートフォリオの分散も進んできている。通期業績予想(純利益14億円)の変更はしていないが、業績上振れの確度は高まっている。


・オープンドアは22年3月期末決算を発表。売上は前期比7%増の12億円、営業損益は▲6億円、純損益は▲5億円の赤字決算だった。旅行需要の低迷により、コロナ禍前の20年度比で売上は20%程度に留まる。23年3月期の通期業績予想は予測困難なことから非開示とした。



5月2週目の株式相場のまとめ

先週末の雇用統計や米国CPIなどの重要経済指標、フィンランドNATO加盟の地政学イベント、中国景気後退懸念やアップル株の大幅下落、ソフトバンクやトヨタなどの主要企業の決算、韓国の暗号資産テラ(LUNA)の大暴落などの複合的要因を背景に、株式相場はリンバウンド期待もありながら乱高下した一週間であった。また、リスクオフの動きもみられ、債券高、円高となった。



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1899.84 高値1902.72 安値1826.51 終値1864.20 (▲51.71)


日経平均株価指数(先週差)

始値26,705.32 高値26,732.61 安値25,688.11  終値26,427.65 (▲575.91)

NT倍率14.1


インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の週間パフォーマンス及び昨年末からの対TOPIXでの株価推移である。



モニタリングをしているインバウンド・旅行関連銘柄の週間パフォーマンス。全体的に厳しい一週間であった。目立ったのは決算が嫌気されたコーセー。また、特別損失などを計上した、GoToトラベル不正の旅工房の株価の下落も目立った。 





5月2週目の材料

16日

ニューヨーク連銀製造業景気(米)


17日

小売売上高(米)


18日

GDP速報値日)

鉱工業生産指数(日)

住宅着工件数(米)


19日

機会受注(米日)

新規失業保険申請件数(米)

景気先行指数(米)


20日

全国消費者物価指数(日)


株式相場の見通し


引き続きインフレを背景とした金融引き締めが続くだろう。原油も100ドル台を固めてきており、フィンランドNATO加盟で地政学リスクの緊張、長引くウクライナとロシアの戦争で資源と食料高が続くと考える。また、暗号資産が大きく下落しており、金融引き締めによる市場の余剰資金の巻き戻しが始まったと筆者は考える。売りが売りを呼ぶ展開だ。


筆者は今後、世界的に相当厳しい経済情勢になるのではないかと考えている。その根拠は過剰政府債務、過剰金融緩和、過剰レバレッジ、3つの過剰にあると思う。過剰政府債務は将来のツケである。一つの例として、安倍元総理が、「日銀は政府の子会社」というモラルハザードだ。中央銀行が政府の債務を抱えればいいと言う考え方が世界的に起きている(いた)。幸いにも、日本は家計と企業の貯蓄で国内ファイナンスが出来るうちはこのモラルハザードは続けられるが、いつかリミットが来るだろう。


次に、アメリカは物価の上昇が厳しく、これ以上の金融緩和が続けられないので、足元の急ピッチで利上げを行っている。これはまだ続くと考えられ、金融緩和でありとあらゆるリスク性資産に流れていた金の巻き戻しが始まっている。そして、足元のマージンデットデットの水準もまだまだ高過ぎるのである。これが一斉に巻き戻った場合は終わりの始まりだと考えていいだろう。


歴史は繰り返すのである。過去のバブルの歴史を見れば、容易に想像付くことだ。そのタイミングは神のみぞ知るが、それまで備えておく必要があるだろう。


筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

・まいまい京都・東京事務局

・会計事務所にて、資金調達・事業計画アドバイザー

・訪日ラボで「株式市場からインバウンド復活の動向を読み解く」を連載中


会社紹介

東京、京都、大阪、広島で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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