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円安と資源・商品高で日本は苦境に陥る|3月第1週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報


インバウンド銘柄の主な材料は:


・大丸松坂屋2月の百貨店売上高は前年比1.2%増。コロナ感染拡大の影響はあったものの、ラグジュアリーブランドや宝飾品が好調に推移し、売上は前年比微増となった。免税売上高は前年比19%増(客数同40%減、客単価同98%増)


・ANAは欧州方面2路線で中央アジア上空を通る南回りの航路を使用すると発表。一方でJALはアラスカ上空を飛行する北回りの迂回ルートを使用する。迂回ルートの使用により、飛行時間が2~3割増えるので、両社にとってはコスト増となる。


・資生堂は台湾の企業パーフェクト社にマイノリティ出資を実施すると発表。パーフェクト社はメイクアップやスキンケアなどのカテゴリーで、消費者とブランドをつなぐプラットフォームを構築している。


・オリエンタルランドは東京ディズニーランド・シーの入場制限を緩和すると発表。2万人としていた上限を3月1日から段階的に引き上げる。


国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・HISの1月旅行取扱高合計はコロナ禍前の前々年比92%減の28億円。内訳は海外旅行が前々年比98%減の5億円、国内旅行が同41%減の22億円となった。国内旅行ではオミクロン株の急速な感染拡⼤に伴い需要の鈍化がみられた。ただし、ワクチン接種の効果もあり、感染拡大期においても急激な旅行需要の低下には至っていない。渡航先や日程変更などをして予約を継続するケースもみられている。


3月1週目の株式相場のまとめ


ロシアの銀行をSWIFTから排除するなどの制裁から経済への影響懸念の一方、停戦協議が行われるなどの報道により、株価は一時的に持ち直した。しかし、ウクライナの戦局の報道などや、FRB議長が議会証言で3月のFOMCで0.25%利上げを行うと明言した事も交じり、一進一退の株価の動きの週半ばであったが、週末、ウクライナの原発でロシアとウクライナ軍の衝突により原発に火災が発生。戦争の激化と原発融解リスクで株価は大きく下げて、日経平均株価は25000円台で週末の取引を終えた。



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1877.38 高値1911.17 安値1836.26 終値1844.94 (▲31.3)

予想PER12.57 予想PRB1.06 予想EPS 146.77

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値26,457.52 高値27,013.26 安値25,774.28  終値25,985.47 (▲491.03)

NT倍率14.08

インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価推移である。 

ウクライナ情勢に引きずられた一週間であった。ロシアの報復措置として欧州の空港会社のロシア上空の渡航が禁止され、JALとANAの株価が大きく売られた。また、まん延防止等重点処置が延長されることが発表され、オリエンタルランドの株は軟調に推移した。

モニタリングをしている国内旅行関連銘はウクライナ情勢と国内でまん延防止等重点処置が延長された事も嫌気され、株価が大きく下げた一週間であった。


3月2週目の材料

7日


8日

国際収支(日)

景気先行指数(日)

貿易収支(米)


9日


10日

ECB理事会

新規失業保険申請件数(米)

消費者物価指数(米)


11日



株式相場の見通し

ウクライナとロシアの戦争で、原油価格が100ドルを突破、小麦は14年ぶりの高値を更新。インフレの中、ロシアとウクライナ情勢による世界的景気悪化懸念により、スタグフレーションが脳裏をよぎる。また、強い雇用統計の結果とアメリカのインフレから金融引き締めがさらに加速すると予想される。パウエルFRB議長は早々に今月のFOMCで0.25%の利上げを明言し、マーケットには安心感が一瞬漂ったものの、リスクオフの動きが続く。


今のマーケットが懸念していることを簡潔に整理すると、ウクライナ情勢で①原油高、②商品高、欧州をはじめとする世界の③景気悪化懸念があり、アメリカのインフレで、金融引き締めに伴う④利上げと⑤量的緩和の縮小が懸念事項だ。

特に厄介なのは①と②で、世界的なインフレの震源であり、またロシアに対する経済制裁やその報復でサプライチェーンの停滞などの悪化で、コロナ禍で悪化した世界全体の③景気がさらに悪化するリスクがある。また、④アメリカの利上げによって、新興国などは景気回復道半ばで自国通貨の減価を防ぐために利上げに追随しなければいけなく、その上に②商品高やサプライチェーン問題が重くのしかかる。それにより、マーケットは原油などのエネルギー高、小麦などの商品高、ユーロ安、円安、⑤量的緩和縮小懸念とウクライナ情勢のリスクオフからリスク性資産安、債券高、ディフェンス株高の流れが続く。


その結果の一例が、日本の商社株と海運株の上昇だ。マーケットは、早々に円安、インフレ、サプライチェーン問題、商品高、コスト増を織り込み始めている。ウクライナ情勢が長引くようであれば、日本は今後、円安とインフレ、コロナ対策による経済停滞からの回復に苦しむだろう。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

・まいまい京都・東京事務局

・会計事務所にて、資金調達・事業計画アドバイザー


会社紹介

東京、京都、大阪、広島で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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