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緊急事態宣言相場が終わる|6月第2週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

6月第2週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し


2021年6月13日

執筆:インバウンドアナリスト

宮本 大



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1969.62 高値1970.72 安値1944.66 終値1954.02 (▲5.17)

予想PER17.74 予想PRB1.33  予想EPS 110.14

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値29,214.00 高値29,241.20 安値28,799.74 終値28,948.73(+7.21)

NT倍率14.81



インバウンド及び国内旅行関連銘柄の動き


インバウンド銘柄の主な材料は:


・JALは国内線6・7月の追加減便を発表。今回発表分を反映した6月の運航率は計画比61%、7月は同76%となった。羽田空港の発着便を中心に、大阪や福岡発着の路線なども減便する


・ANAは国内線7月の追加減便を発表。7月の運航率は、コロナ前の20年度計画比51%となった


・力の源ホールディングスは5月の既存店売上を発表。国内店舗は前年比91.4%、海外店舗は同73.0%。コロナ影響前の前々年比では国内が50.5%、海外が58.5%となった。特に国内では非常事態宣言の再発出等の影響により売上の減少が目立った



国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・HISは21年10月期2Q決算を発表。売上は前年同期比80%減の676億円、営業損益は▲310億円、純損益は▲232億円と大幅赤字となった。国内外の拠点の統廃合や社員の出向等によりコスト削減を進めたが、主力の海外旅行需要がコロナ禍で消失した。加えて、エネルギー事業において電力仕入れ価格の高騰等により▲77億円の営業損失を計上したことも赤字幅拡大の要因となった。通期の業績予想は非開示。日本政策投資銀行から資本支援を受けることも検討しているとの報道もあった



・KNT-CTホールディングスの4月の旅行取扱高は、コロナ前の前々年比84%減少となった。主力の国内旅行では、前年より緊急事態宣言の期間が短いことや対象地域が限定的だったことから、前年比では増加したものの、旅行を控える動きは続いている


・エアトリは新型コロナウイルス ワクチン接種サポートツアーの開始を発表。いち早くワクチン接種を希望する顧客に対し、ロサンゼルス、ニューヨーク、ラスベガスにてワクチンの接種が可能なサポートツアーを提供する



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス




6月2週目の株式相場のまとめ


 雇用統計明けの日本株は上昇して始まったものの、週半ばに発表される予定の米国消費者物価指数が意識され、アメリカ株は最高値近辺でもみ合いが続き、それに合わせて日本株も方向感に欠ける展開となった。また29000円台の心理的節目が意識され、もみ合いが続き、ボラティリティーの幅が狭い値動きであった。また、日経平均株価への寄与度が大きいファストリテイリングの株価が軟調で日経平均株価の重石となった。


 そのような中、インバウンド・旅行関連株は先週から引き続き好調な展開となった。欧州連合が導入予定のワクチンパスポートの導入検討報道や、アメリカが日本への渡航制限を最高レベルの4から3へ引き下げたこと、日本でのワクチン接種率が10%を超えたことなどが好材料となった。



インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 米国からの渡航制限レベル引き下げやワクチンパスポートの報道が材料となり、JALとANAなどの空運株上昇が大きく目立った。また一風堂などを展開する力の源ホールディングも、アフターコロナ銘柄として外食関連としても上昇し

た。



以下の図は国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 国内旅行関連銘柄はエアトリが大きく上昇し、連日高値を更新。また景気回復期待などからホテル・不動産の星野リゾートREITや、踏み上げの買戻しを巻き込みながらの藤田観光株の上昇が目立った。加えてHISやKNTCTなどの旅行代理店銘柄もコロナ前の株価水準に迫った。




6月3日週目の株の材料と動き

14日

鉱工業生産指数(日)

IOCコーツ氏来日


15日

小売売上高(米)

ニューヨーク連銀製造業指数(米)

鉱工業生産(米)


16日

通常国会閉会(日)

機械受注(日)

住宅着工件数(米)

FOMC(米)


17日

新規失業保険申請件数(米)

景気先行指数(米)


18日

日銀金融政策決定会合(日)

消費者物価指数(日)



筆者の個人的見解 

 市場からボラティリティーが消え始めている。日本国債JGBカレントに商いがなく、為替相場も凪が続く。また米国株3指数も最高値圏でもみ合いが続き、日本株も重たい展開が続いている。報道を見れば、雇用統計待ち、消費者物価指数待ち、FOCM待ちと市場の関心すべてはFRBのテーパリング議論に帰結する。過去に例を見ない金融緩和と財政出動で景気は過熱しはじめ、余った金は商品市況まで流れ込む。FRBは物価上昇は一時的と2%以上を容認する姿勢を崩していない。そのような中、市場に不安心理が増大していると筆者は感じている。「このままで大丈夫なのだろうか?」という、感覚だ。金融緩和と財政出動で作り上げた市場の方向感はこのまま人の思う通りの方向へと進むのだろうか?それはいつか歴史が教えてくれるだろう。


 さてそのよう中、緊急事態宣言の解除が迫っており、鉄板だった緊急事態宣言アノマリーが終わろうとしている。そのタイミングで続いていたインバウンド・旅行関連銘柄の需給相場が一旦終わると考える。次は業績相場に移るだろう。高値掴みに気を付けたい。


 また、日経平均株価も3万円目前で重い展開が続く。日経平均株価上昇のキーはファストリテイリングの株価の下落が止まった時だと筆者は考える。日経平均株価指数への寄与度、日銀の保有比率が指摘されていた日銀ETF買いを代表していた銘柄であるので、まだ日銀の金融政策点検結果が尾を引いていると考える。




筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

Japan Localizedは現在、東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。


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