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コロナ変異株蔓延で旅行関連銘柄は苦戦|インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

Updated: Jul 18, 2021

7月第3週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1943.33 高値1973.35 安値1925.74 終値1932.19 (+19.81)

予想PER17.41 予想PRB1.32  予想EPS 110.98

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値28,412.70 高値28,852.31 安値27,847.35 終値28,003.08 (+62.66)

NT倍率14.49



今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄のニュース


インバウンド銘柄の主な材料は:

・Jフロントは、大丸松坂屋百貨店の7月度の既存店売上について発表。14日までの累計で対前年7%増(対前々年▲24%減)で推移。ラグジュアリーブランド、美術宝飾品などは引き続き好調なことから、前年比で増加した。一方、首都圏を中心にコロナ感染が再拡大したこと等から、前々年比では前月に続き▲20%台の減少となっている。


・JALは国内線7・8月の追加減便を発表。今回発表分の減便を反映した運航率は、7月が計画比70%、8月が同73%となり、6月の運航率61%からは少し改善している。一方で、減便計画は足元の需要動向をもとに決めており、緊急事態宣言の地域対象拡大などで今後の需要が落ち込めば追加減便を行う可能性もある。


・ANAのシステム開発子会社ACDは、中国のIT大手のテンセントと提携するとの報道。来日が難しい中国の顧客向けに動画で商品情報の提供を行い、ANAの航空機で中国に向けて輸送するとのこと。


・マツモトキヨシは6月の月次売上を発表。既存店は前年比0.8%増、全店は同3.4%増となった。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・エアトリは東証の新市場区分におけるプライム市場の上場維持基準に適合と発表。


・HISはオンライン体験ツアー体験者数が10万人を突破した発表。20年4月よりサービスを開始し、21年6月末までに累計4,500本以上のツアーを催行した。直近では、ワクチン接種が加速したことによる旅行需要の回復にむけて、次の旅行先の選定といった旅の下見・予習としての需要も高まっている。


・オープンドアは小田急トラベルと国内ホテル・宿泊比較で連携を発表。「トラベルコ」の国内ホテル・宿泊の検索・比較対象に「小田急トラベル」の宿泊商品が追加され、予約先サイトの選択肢が拡大する。


・藤田観光は、日本政策投資銀行が組成するDBJ飲食・宿泊支援ファンド投資事業有限責任組合に対し、第三者割当で総額150億円の優先株式を発行すると発表。太閤園を売却するなどで自己資本比率を20%台まで回復させていたが、今後も新型コロナウイルスの影響が続くことを想定し、資本性資金の調達が必要と判断したようである。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス



7月3週目の株式相場のまとめ


 先週末夜間に大きく反発した日経平均株価は月曜からチャートに窓を開けて大幅反発も、国内でのコロナウイスル新規感染者数増大や、オリンピックの無観客の報道もあり、日経平均株価は上昇した分をほぼ戻した形となった。また、ファストリテイリングの業績下方修正やアメリカの半導体・ハイテク株が軟調だったことによるソフトバンクグループの株価も軟調だったことの影響も日経平均株価を押し下げる要因であった。


 旅行・インバウンド関連銘柄は東京都が緊急事態宣言入りをしたことを受けての業績悪化長期化懸念により、株価は総じて軟調な展開。実質的に4度目緊急事態宣言アノマリー初週のパフォーマンスはまちまちであった。



インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き 以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 インバウンド関連銘柄は月次を発表したマツモトキヨシの株価の旅行なパフォーマンスが目立った。ただ、長引く緊急事態宣言の影響もあり、鉄道、外食、化粧品関連の銘柄の年間パフォーマンスはTOPIXに肉薄し、年前半のアルファリターンがマイナスになる可能性が出てきた。



 国内旅行関連株は総じて軟調な展開であった。特に株価が好調だったエアトリ株の下落が目立った一週間であった。一方、日本政策投資銀行から融資を受ける藤田観光の株は堅調に推移。



7月4日週目の株の材料と動き

19日

20日

消費者物価指数(日)

住宅着工件数(米)


21日

22日

日本市場休場 海の日

ECB理事会

新規失業保険申請件数(米)

景気先行指数(米)


23日

日本市場休場 スポーツの日

ユーロ圏製造業PMI(欧)

オリンピック開会





筆者の個人的見解 


 日本株は厳しい相場展開となった。月曜日に大幅反発したものの、週半ばからその上げ幅をほとんど戻した形となった。加えて、週末アメリカの株が下落し、オーバーナイトの日本株指数先物は下落して終わった。


 日本の決算本格化前に今週はオリンピックに伴う連休があり、コロナ新規感染者数が増加する中で積極的にポジションを取りに行きにくいだろう。また、アメリカ株も最高値圏にあり、利益確定の売りによる株価下落にも注意が必要だ。


 日本の株式相場は再び緊急事態宣言相場に入った。今週、デルタ株蔓延による感染者数増加が考えられ、東京以外の大都市圏が緊急事態宣言入りになる可能性がある。その時に、旅行関連銘柄の動きはどうなるのか?エイチ・アイ・エスを例に取って検証したい。まず以下の図を見て頂きたい。


 エイチ・アイ・エスの株価推移とコロナ新規感染者数のチャートである。見ての通り、コロナ新規感染者数がピークアウトと同時期にHISの株価は上昇する。逆に新規感染者数が増加していくと、HISの株価は下がる逆相関となっている。つまり、足元のコロナ新規感染者数の第5波はどこでピークアウトするのかがある程度わかれば、HISの株価上昇の初動に乗る事が出来ると、過去からの経験則が教えてくれよう。ただ、今回はワクチン接種が進んでいるのにも関わらず、デルタ株が蔓延していることで、どこのタイミングでコロナとの共生に切り替わるかに注意を払いたい。




筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

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