top of page

News

  • Writer's pictureJapan Localized

緊急事態宣言再発令で旅行・インバウンド関連銘柄が再び上昇か?インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

Updated: Jul 4, 2021

7月第1週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1969.23 高値1969.67 安値1934.26 終値1956.31 (▲6.34)

予想PER17.60 予想PRB1.33  予想EPS 111.15

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値29,112.66 高値29,121.28 安値28,624.80 終値28,783.28(▲282.9)

NT倍率14.71



今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄のニュース


インバウンド銘柄の主な材料は:

・Jフロントは22年2月期1Q決算を発表。純損益は▲30億円の赤字となった。売上は前年同期比67%増の1906億円、営業損益は▲38億円(前期は▲271億円)。前年同期に比べ赤字幅は縮小しているものの、再度の緊急事態宣言を受けた百貨店の休業影響を背景に、百貨店などの販売が当初想定を下回った。また、通期の業績予想を下方修正し、売上9350億円(前回比▲700億円)、営業利益55億円(同▲55億円)、純利益10億円(同▲30億円)とした。年間配当29円は変わらず。秋以降はワクチン接種が進み、「移動や行動制限の緩和で消費も段階的に回復する」とみている。最終損益ベースでは、3~8月期は▲30億円の赤字を見込む一方、9月~22年2月期は40億円の黒字を予想している。


・JALは5月の運輸実績を発表。国際線の利用率は19.1%、国内線は38.1%となった。旅客数は新型コロナ影響前の一昨年比では国際線が5.9%、国内線が26.1%となった。前年を大きく上回ったものの、新型コロナの影響により、大幅な例年割れが続いている。


・資生堂はパーソナルケア事業の譲渡完了と 合弁事業の稼働開始を発表。新会社名は「ファイントゥデイ資生堂」。新会社の全株式および関連事業資産の譲渡価額は1600億円に及ぶ。2026年までに売上ベースで1500億円規模を目標に掲げ、数年後にはIPOの実現を目指すという。「ツバキ」「ウーノ」「専科」などの主力ブランドを軸にコモディティ化していた各ブランドの価値を再構築し、マステージ領域での成長を狙う。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・HISの5月旅行取扱高は前々年同月比97%減の10億円となった。内訳は海外旅行が99%減の3億円、国内旅行が83%減の7億円。国内旅行では、主要都市での緊急事態宣⾔が継続したことにより、ゴールデンウィークの送客が減少するなど、引き続き⼤きな影響を受けた。また、同社は本社を置く「神谷町トラストタワー」の4~5階フロアを売却すると発表。売却額は325億円で、今後は賃貸借契約を結んで入居する。売却損益はなく、業績への影響は軽微という。手元資金の確保が目的とみられる。


・KNT-CTホールディングスは第三者割当による種類株式の払込完了を発表。親会社の近鉄GHDに150億円、主要行2行が資金を拠出する合同会社2社に計250億円の優先株を発行し、計400億円を調達した。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス




7月1週目の株式相場のまとめ

 

 アメリカ株は過度なテーパリング懸念が薄れ、景気敏感株中心に軟調な株価であったが、ナスダックやS&Pは連日最高値を更新。また週末の雇用統計の結果を受けて、ダウも最高値で取引を終えた。一方日本株は月末月初アノマリーに振り回され、また国内でのデルタ株蔓延による緊急事態宣言再発令などの報道により上値が重たい展開が続いた。加えて小売業の減益決算が嫌気され、ドラッグストア株が軟調であった。


 インバウンド・旅行関連銘柄は強弱混じりながらまちまちな展開であったが、東京などの大都市圏に緊急事態宣言再発令の報道を受け、週末にかけて総じて株価は上昇した。そのような中、家電量販店のラオックスが中国アリババグループによる蘇寧易購への出資合意報道を買い材料として連日急騰した。



インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。




 インバウンド関連銘柄は点でバラバラな動きをしていたものの、東京都内でのコロナ感染者数が増加傾向にあり、緊急事態宣言が再発令される可能性の報道などから、週末に株価は大きく上昇した。特に一風堂を運営する力の源と寿スピリッツの上昇が目立った。一方業績の下方修正をしたJフロントリテイリングの株価下落が目立った。



以下の図は国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


 国内旅行関連銘柄は総じて軟調な株価の動きであったが、東京都で新規コロナ感染者数が増加していることから、再度緊急事態宣言が発令されるという思惑から週末にかけて買戻しの動きがあった。そのよう中、HISは本社ビル売却の報道があり、株価は総じて軟調であった。



7月2日週目の株の材料と動き

5日

米国休場

6日

ISM非製造業化期指数(米)

7日

景気先行指数(日)

8日

国際収支(日)

新規失業保険申請件数(米)

9日



筆者の個人的見解 

 月末月初、雇用統計のイベントが過ぎ、日本株とアメリカ株のパフォーマンスの差が大きく開いた一週間であった。アメリカ株は小動きながらも連日最高値を更新。一方の日本株は先物主導で振り回されるものの、小幅なレンジ内の動きで売買代金も低調で上値が重たい展開であった。その要因としてはワクチン接種の遅れと変異株の蔓延である。加えて日本政府はオリンピックが開催されるのにかかわらず、再度緊急事態宣言を発令する可能性が出てきた。加えてワクチンの供給不足など足かせになっている。また、秋には衆議院議員選挙が控えており、外国人からすると日本株を積極的に買いに行く理由を見つけるのが難しい。


 また、小売業の決算発表を受けて、小売り株の軟調さが目立つ。これは今後本格化する1Q決算の前哨戦だと筆者は考える。特に業績が良い銘柄の株価が上昇するとは限らず、決算発表前後の株価はマネーゲーム化しているので注意をしたい。


 そのような中、仮想通貨の価格はじりじり下がってきており、原油高などの商品高、相対的なドル高による円安が進行している。輸出関連企業にはプラス寄与だが、輸入企業には厳しい状況にあると考える。日本での年後半のインフレリスクに注意が必要だと考える。


 テーパリング懸念は一服し、再び市場は総楽観ムードが漂うものの、全資産はバブルであるという事を常に意識しておくことが大切である。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。




28 views
bottom of page