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好決算のインバウンド・旅行株|2月第1週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し

Updated: Feb 6, 2022

インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報

インバウンド銘柄の主な材料は:


・大丸松坂屋1月の百貨店売上高は前年比16.4%増。前年のコロナ感染症第3波影響の反動から、全ての商品カテゴリーで前年実績を上回った。


・ANAは22年3月期3Q決算を発表。売上は前年同期比40%増の7,380円、純損益は▲1,028億円(前期▲3,095億円)と赤字幅が縮小した。国際貨物が旺盛な需要に支えられ、前期比134%増と好調だったことが収益を押し上げた。10-12月期の営業利益は1億円と8四半期ぶりに黒字化した。


・JALは22年3月期3Q決算を発表。売上収益は前年同期比40%増の4,984億円、純損益は▲1,296億円(前期は▲1,813億円)と赤字だった。国内旅客収入が前年比で26%増と回復したほか、貨物郵便収入が同68%増と好調だったことが収益をけん引した。一方、10-12月期でみれば、JALは▲318億円の赤字となったのに対し、ANAは黒字転換している。国際貨物線の収益力に差が出た格好となった。また、通期業績見通し(▲1,460億円の最終赤字)を据え置いたが、足もとのコロナ感染拡大により、下振れリスクは残る。未定としていた期末の配当予想を無配とした。


・富士急行は22年3月期3Q決算を発表。営業収益は268億円、純利益は5億円(前期は▲18億円)と黒字転換となった。富士急ハイランドでのイベント強化等が奏功し、集客力が回復。主力のレジャー・サービス事業が収益を牽引した。


・寿スピリッツは22年3月期3Q決算を発表。売上は前年同期比41%増の229億円、営業利益は8億円(前期は▲23億円)、純利益は14億円(前期は▲1億円)と4四半期ぶりに黒字転換した。12月の土産物需要を取り込んだことが奏功したほか、通信販売が前年同期比44%増加したことが収益を押し上げた。通期業績予想(純利益9.4億円)は据え置いたが、進捗率は152%とすでに上回っている。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・HISの12月旅行取扱高合計はコロナ禍前の前々年比89%減の42億円。国内旅行では前月に引き続き、各自治体による県民割適用の拡⼤もあり、宿泊プランやバスツアーをはじめとする近距離旅行が牽引した。


・JR東海は22年3月期3Q決算を発表。売上は前年同期比14%増の6,863億円、営業利益は371億円(前期は▲935億円)と営業利益ベースで黒字化した。緊急事態宣言の解除以降、ビジネス・観光ともに旅客需要が回復し、運輸収入は予想を上回った。事業別では主力の運輸事業が黒字に転換したほか、不動産事業は増益と好調である。


・オープンドアは22年3月期3Q決算を発表。売上は前年同期とほぼ変わらずの8億円、営業損益は▲5億円、純損益は▲4億円の赤字だった。旅行需要の低迷により、コロナ禍前の、前々期3Q比で売上は20%程度に留まる。通期業績予想は非開示とし、今期の株主優待(クオカード)の実施を見送った。


2月1週目の株式相場のまとめ

先週の大幅下落が一服したものの、メタ(フェイスブック)の決算などでハイテク株が大きく売られる日もあった。しかしアップル、アマゾン、アルファベット、マイクロソフトなどが好決算だったことを受け、相対的に相場に安心感が広がったが、日本株は米国株に大きく振らさられる展開となった。また、週末の雇用統計の結果を受け、米国10年債金利が大幅に上昇し、今後の波乱を予感する内容となった。


モニタリングをしているインバウンド・旅行関連銘柄は、先週からの自律反発に加えて、良好な3Q決算や、週末水際対策の緩和の報道で大きく株価を戻す展開となった。



主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値1872.88 高値1937.50 安値1862.31 終値1930.56 (+53.67)

予想PER13.40 予想PRB1.10 予想EPS 144.07

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値26,690.60 高値27,564.62 安値26,541.65  終値27,439.99 (+722.65)

NT倍率14.21

topix-日経平均株価チャート

インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス

インバウンド旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価推移である。 


インバウンド銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価推移

モニタリングをしているインバウンド銘柄は好決算を発表した銘柄の株価が素直に反応する一週間であった。黒字転換をしたANAやオリエンタルランド、寿スピリッツなどの株価上昇が目立った。それに加え、週末場中に水際対策緩和の報道もあり、インバウンド銘柄が大きく買われる展開となった。

インバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価推移

モニタリングをしている国内旅行関連銘柄は先週からの自律反発に加えて、好決算を発表したJR東海などの株価上昇が目立った。


2月2週目の材料

7日

景気先行指数(日)


8日

国際収支(日)

貿易収支(米)


9日

10日

消費者物価指数(米)

新規失業保険申請件数(米)


11日


株式相場の見通し

FRBに先駆けて、BOEが利上げ。またECBもスタンスを変えてきている。そのよう中、原油が90$台を突破し、ウクライナ情勢で厳冬の欧州にエネルギー不足に陥るリスクが燻る。昨年まではマーケット関係者は“インフレは一時的”と口をそろえて言ってきたが、逃げ足の速い投資家は、早々にインフレヘッジのポジションを構築している。


そのよう中、日本にもインフレの足音が聞こえてきており、資源高、円安のコストプッシュに加えて、オミクロンでの消費者マインドへの悪影響が混ざったスタグフレーションに陥るリスクを考えておかなければならない。さらに岸田政権の政策が市場からは受け入れられておらず、日本株が浮上する可能性は厳しいと考える。


TOPIXのバリュエーションは過去水準と比べても適正であり、割安でもない。なので、ここからさらなるEPS成長が見込めない限り、バリュエーションからも日本株の上昇余地は少ないと考える。


今週は雇用統計がもたらした米国金利上昇と、米国のCPIが大きな注目材料となる。市場は3月のFOMCで0.5%利上げに戦々恐々しながらも、真にテーパリングを恐れている。過剰流動性相場の巻き戻しが本格的に始まったら、買い手不在の一方方向相場が始まるだろう。とにかく高バリュエーション株、原資産がない仮想通貨、円安とインフレに弱い銘柄への投資は要注意と考える。


筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

・まいまい京都・東京事務局

・会計事務所にて、資金調達・事業計画アドバイザー

・訪日ラボで「株式市場からインバウンド復活の動向を読み解く」を連載中



会社紹介

東京、京都、大阪、広島で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。


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