News

  • Japan Localized

インバウンド株の銘柄選別が始まる|インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

Updated: Aug 22

8月第3週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し


今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報

インバウンド銘柄の主な材料は:

・Jフロントリテイリングは大丸松坂屋百貨店の8月の既存店売上についてコメント。15日までの累計で対前年1%減(対前々年▲31%減)で推移。ラグジュアリーブランドが好調を持続した一方、美術宝飾品などは減少した。前月が対前々年比▲19%であったことから、マイナス幅が拡大傾向に転じており、依然厳しい状況が続いている。


・JALはお盆期間(6日~15日)の利用実績を発表。国内線の提供座席数は前々年比70%、総旅客数は同42%、国際線の提供座席数は同29%、総旅客数は同9%となった。旅客数は国内線ではコロナ禍前のピークから半減以下、国際線では1割以下と、オリンピック関連需要と帰国需要を取り込んだものの旅客需要は低迷したままである。


・マツモトキヨシは7月の月次売上を発表。既存店は前年同月比3.2%減、全店は同0.8%減となった。既存店が前年比でマイナスになる月は今年度に入り初めて。


・オリエンタルランドはディズニーの時短営業を9月12日まで継続すると発表。緊急事態宣言の延長や自治体からの要請を踏まえた措置で、営業時間は午前 10 時から午後7時まで。




国内旅行関連銘柄の主な材料は:

・オープンドアは「トラベルコ」の国内レンタカー比較サービスで「ベストプライスレンタカー」を運営するフラッシュエッヂとの提携を発表。「ベストプライスレンタカー」は大手レンタカー会社含む15社のプランを一括比較できるサイトで、特にPeachの就航空港での貸し出しを中心に全国各地で豊富なラインアップを取り揃えている。同社はアフターコロナの旅行需要回復を見据え、開発人員増強のもと主力の旅行比較サイト「トラベルコ」において機能強化やラインアップ拡充を積極的に進めている。


・JR東海は東海道新幹線のお盆期間の利用状況を発表。利用者数は前年比39%増の159万人となった。コロナ禍前の前々年比では67%減と、回復は途上である。また同社は9月の東海道新幹線の運転本数を計画比350本程度減らすことを検討していると発表。これに伴い、一時的な業務量の減少が見込まれるため、一時帰休の実施も検討している。


・星野リゾート投資法人は投資法人債(グリーンボンド)の発行を発表。発行額は13億円で、年限は10年、利率は1%の条件となった。発行と同時に同額の借入金の期限前弁済を行う。




インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス




8月3週目の株式相場のまとめ


 週明けの日本株はアフガニスタン情勢による地政学リスクの再燃により、大きく売られて始まった。加えて、中国規制当局のIT企業への規制強化が引き続き嫌気され、また東南アジアでのコロナ拡大に歯止めがからな状況も重石となった。そこにFOMC議事録でテーパリング開始時期が年内と、再度テーパリング懸念が再燃し、アメリカ株につられて日経平均株価は大きく下落。最後に、週末トヨタ自動車が部品不足と東南アジアでのコロナ拡大による影響で販売台数予定の下方修正を発表。それにより、相場はトヨタショックとなり、日経平均株価は一時年初来安値の27,000円を割れた。

 

 旅行インバウンド銘柄は国内でのコロナウイルス蔓延による緊急事態宣言の延長が嫌気された、総じて売り込まれる週となった。




インバウンド及び国内旅行関連モニタリング銘柄の動き

以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。 


 モニタリングをしているインバウンド銘柄は総じて軟調であった。特に緊急事態宣言の延長が嫌気された資生堂株の下落が目立った。一方、下げ止まりを見せたのはオリエンタルランドや業績回復の兆しを見せたマツモトキヨシ株は底堅い動きとなった。




 国内旅行関連銘柄は緊急事態宣言の延長が嫌気され、株価は大きく下落し、前週に上昇した値を全部戻すという動きとなった。また星野リゾートや、モニタリング外のホテル関連の銘柄は総じて底堅かった。




8月4週目の株の材料と動き

23日

ユーロ圏製造業PMI(欧)

中古住宅販売件数(米)


24日

パラリンピック開会式

新築住宅販売件数(米)


25日

景気先行指数(日)

耐久財受注(米)


26日

新規失業保険申請件数(米)

ジャクソンホール(米)


27日

ジャクソンホール(米)



株式相場の見通し


 株式相場は難しい局面に入ってきた。①テーパリング、②デルタ株蔓延、③景気減速懸念、④中国リスク、⑤地政学、⑥インフレ―ションの6つの要素が絡み合っている。まずは①テーパリングだ。メインシナリオとしては9月のFOCMでテーパリング決定、12月開始だろう。それのトリガーは9月の初週に発表される雇用統計だ。その前哨戦はジャクソンホール。パウエル議長の市場との対話に注目が集まる。次に②デルタ株蔓延だ。欧米での蔓延もそうだが、東南アジアでの蔓延はトヨタショックを引き起こした。これは幅広業種に影響を与えかねない。またデルタ株蔓延による③景気減速懸念も①テーパリングの決定に大きな影響を与え要素になる。足元の米国経済指標統計は鈍化してきており、特に米国の個人消費が鈍り始めたとの懸念が出始めている。加えて、中国の成長鈍化懸念とIT企業の規制強化による④中国リスクが不安要素であり、特に中国株式市場からの資金流出が続いており、中国リスクはソフトバンクと安川電機の株価がそれを露骨に反映している。

 

 アフガニスタン情勢で⑤地政学リスクが再燃される可能性が出てきた。アメリカの中東政策はイラクに続き失敗であり、中東を取り巻くパワーバランスが完全に崩れたと考えていいだろう。欧米、中露、中東それぞれの思惑がうごめいており、タリバン政権の出方によっては今後のマーケット動向に大きな影響を与える可能性がある。

 

 最後に⑥インフレーションだ。足元の商品市況の価格上昇は緩和マネーなのか需給なのかは置いておいて、高止まりする商品市況がインフレーションを引き起こしているのは違いない。足元は、スタグフレーションなのではないかと言う声も聞こえ始めた。そのような中、FRBのパウエル議長は、インフレは一時的との見方であったが、先週発表された7月のFOMC議事録でその考えたが薄まったと考えていいと思えるぐらい、インフレ圧力が強まっている。

 

 これらのすべての要素を考えて、足元の日本株のPER16倍台を割安と考えるのか割高と考えるのか。また、2023年のEPS成長が続くのかどうかも見極める必要がある。相場はとても難しい局面に入ってきたと考える。





筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

 Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

 また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。

22 views