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水際対策が緩和される3つのポイント|2022年7月月次インバウンドレポート

Updated: Aug 3

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■7月の出来事要約

2022年7月の訪日観光(インバウンド)のトピックとしては、観光庁によれば、6月10日から開始した外国人観光客の受入れについて、6月の観光目的での入国者数は、252人となった。


■7月主なインバウンド関連データ

日本政府観光局が発表した2022年6月の訪日外国人客数は5月単月で120,400人となった。前年同月比は+1201.5%と大幅増となったが前月比▲18.1%となった。

以下のグラフは2017年からの訪日観光客数のグラフである。

訪日観光客数のグラフ

日本百貨店協会が発表した2022年6月免税店売上高・来店動向速報によると、免税店売上高は前年同月比+46.3%の66億円だった。

観光庁が発表した2022年6月の宿泊旅行統計によると、2022年6月の外国人延べ宿泊者数は66万人泊、2019年同月比▲93.1%、前年同月比+168.4%であった。


以下は6月単月のインバウンド・旅行関連銘柄のパフォーマンス。

7月トップは高島屋。6月末に発表した1Q決算が好感され、堅調な株価推移だった。続く東京ディズニーランド等を運営するオリエンタルランドも発表した1Q決算で黒字転換した事が好感され、大幅に上昇した。オリエンタルランドが黒字となった主な要因はコロナ対策ガイドラインの改訂による入園者の増加と、ゲスト1人当たり売上高の各収入が前年同期より増加した事によるもの。

それ以外の銘柄はTOPIXを大幅に下回った。これは、期待先行買いが剥落したことに加えて、国内コロナ新規感染者数が急激に増えたことによる業績への影響も重石となった。特に韓国系旅行代理店のハナツアーの下落率が▲23.96%と、大幅に売り込まれる月となった。


■インバウンド復活についての私見

日本は他国と比べて厳しい感染症対策と水際対策を行っているのにも関わらず、新規コロナ感染者数は週平均で世界一となった。本来、水際対策は国内での感染者数のピークを遅らせて、ワクチン接種や感染対策を行うための時間稼ぎの政策であるが、今の日本政府はいたずらに水際対策を続けているだけだ。

今の政府は足元の水際対策に関する感染症対策の検証と説明をする責任があると筆者は思う。現状日本政府は「新型コロナの国内外の感染状況や主要国の水際対策の状況等を踏まえ、適切に判断する」を言い続けている。実際には約2年4カ月の水際対策の中、適切な判断を下したのは2020年の菅政権の時だけだ。菅政権時の2020年10月に留学生及びビジネス目的への査証を再開した。振返ってみれば、これが唯一の正しい判断だった。


今後の水際対策の緩和のトリガーは次の3点だと筆者は考える。

①コロナの分類見直し

②感染者数のピークアウト

③他国からの日本人に対する査証の厳格化



①に関しては現状、外国人観光客が日本国内でコロナに感染した場合、対処方針が今の現行の感染症対策に乗っ取った形になる。なので、受け入れ元が、訪日外国人客がコロナに感染した場合の責任を請け負うので、団体旅行しか認めないのである。つまり、コロナになった場合の対応が現行のままだと、外国からの個人観光客を認めるのにはハードルが高い。

次に②の感染者数のピークアウトが必要となる。残念ながら日本のメディアがコロナ感染者数に関して連日過大報道をし、いたずらに国民の不安を煽っている。そして、「欧米人はマスクをしない」や「外国人がコロナを持ち込んでいる」などと言った間違った認識をメディアが与え続けているので、“国民感情”ベースで考えると、水際対策の緩和はまず国内でコロナが落ち着かないければ難しいのではないかと考える。

③に関しては、EUなどからは日本の水際対策は相互主義に反すると指摘されており、現行、EUから日本への入国は査証を求めており、逆の日本人の渡航に関しては日本人への査証を求めていない。その点に関して、岸田総理はG7並みに緩和するとロンドンで約束をしたが、まだ履行されていない。

なので、今後EUなどから日本人渡航者へ対する査証などが課せられる可能性があり、日本政府は日本の国益に不利になる事をいつまでも続けられないと考える。


以上の要素が今後の水際対策の緩和と外国人の個人旅行が認められるタイミングを予測する材料だと考える。


筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

・まいまい京都・東京事務局


会社紹介

Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。

また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。


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