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GoToトラベルの中身を精査せよ|インバウンド・国内旅行関連銘柄の投資情報

9月第5週のインバウンド株及び国内旅行株の動きと見通し



今週のインバウンド及び国内旅行関連銘柄の情報


インバウンド銘柄の主な材料は:


・JALは国内線10月の追加減便を発表。今回発表分の減便を反映した10月運航率は計画比72%となった。10月より緊急事態宣言が全国一斉に解除され、旅客需要も反転するものと思われる。現時点において、10月の運航率は9月の64%より10%pt近く改善している。


・大丸松坂屋の9月百貨店売上高は、前年比0.2%減(コロナ禍前の前々年比では41.3%減)となった。ラグジュアリーブランドや美術品が好調に推移したが、緊急事態宣言が継続されたことにより入店客の減少が続いた。


・マツモトキヨシはココカラファインとの経営統合によりマツキヨココカラ&カンパニーを設立。また、22年3月期の業績予想を開示した。売上高7440億円、営業利益382億円、純利益352億円を見込み、年間配当は70円を予定している。純利益352億円は統合前の両社の純利益合計の4割増となる。統合による販管費削減や、ココカラ株取得に関連する特別利益105億円が寄与する。


・マツキヨココカラは3年間の中期経営計画を発表。グループ売上高1.5兆円、営業利益率7.0%を目標に掲げ、統合効果として営業利益で300億円の底上げを見込んでいる。調剤やビューティーケア部門を強化するほか、アジアを中心に海外展開を推進する。


・オリエンタルランドは東京ディズニーランド・シーの入場者数の上限を1万人にすると発表。これまでの上限5千人から緩和する一方、時短営業は当面の間継続する。



国内旅行関連銘柄の主な材料は:


・HISの8月旅行取扱高合計は前々年同月比96%減の23億円。内訳は海外旅行が99%減の5.7億円、国内旅行が77%減の17億円となった。国内旅行では、コロナや台風の影響により旅行需要が減少している。


・エアトリは出資先であるROBOT PAYMENTが東証マザーズへ上場したと発表。ロボペイ社は、インターネット決済代行サービスや請求関連の自動化などの提供を手掛ける。同社の初値は公開価格の約2倍となる3725円となった。



インバウンド・旅行関連銘柄の株価週間パフォーマンス


9月5週目の株式相場のまとめ

主要指数(週)

TOPIX(先週差)

始値2097.34 高値2105.37 安値1982.20 終値1986.31 (▲104.44)

予想PER16.16 予想PRB1.27 予想EPS 122.91

※モーニングスターより


日経平均株価指数(先週差)

始値30,277.82 高値30,414.61 安値28,680.73  終値28,771.07 (▲1475.74)

NT倍率14.48

日経平均株価チャート


インバウンド、旅行関連銘柄のパフォーマンス|旅行株

 日経平均株価は5日連続で下落。要因としては、米国債務上限問題と中国のエバーグランデ問題の不透明感。加えて物価上昇懸念に伴う米国金利上で高バリュエーション株への売り圧力。日本国内の要因としては、外国人投資家に人気があった河野氏が岸田氏に総裁選で負けたことによる外国人の失望売り、日本株独自の月末アノマリーなども意識された。これにより、日本株は菅総理大臣が自民党総裁選に不出馬を表明した水準まで戻ってしまった。




以下の図はインバウンド及び国内旅行関連銘柄の昨年末からの対TOPIXでの株価動向である。


インバウンド株パフォーマンス

 

 緊急事態宣言の解除が正式に決定され、また岸田新総裁が政策と掲げるGoToトラベル2.0への期待感からインバウンド関連銘柄も大幅に上昇。しかし、資生堂などの化粧品関連銘柄やマツモトキヨシは軟調な推移であった。


 緊急事態宣言の解除で国内旅行関連株は大幅に上昇。特にコロナ渦でも業績を伸ばしてきたエアトリの株価はそれを評価し、大幅に上昇。また、出遅れていたJR東海などの鉄道関連株はやっと年初来パフォーマンスがTOPIXを上回った。




10月1週目の材料

4日

岸田内閣組閣


5日

貿易収支(米)

ISM非製造業景況(米)


6日

ADP雇用統計


7日

景気先行指数(日)

新規失業保険申請件数(米)


8日

国際収支(日)

雇用統計(米)



株式相場の見通し


 日本国内での材料は週初の岸田内閣の組閣イベントがあるだけで、大きな変化もなく、安倍カラーが強い内閣人事になることから、新内閣への期待感が低く、外国人投資家からは買いの材料にはなりにくい。ただし、数十兆円規模になる経済対策の中身が不確かであるが、財政政策は買いなのである。また、GoToトラベル2.0への期待感もあり、アフターコロナ銘柄への期待先行買いが続くとも考えられる。


 TOPIXのPER16倍へ低下し、日本株は過去の居心地がよい水準に戻ったと考えていいだろう。先週は連日下げていたので、ここからもう一段の下げは考えにくい。ただし、外部要因は不安定要素が続く。特に米国の債務上限問題や中国のエバーグランデ問題への懸念が続くであろう。加えて、10月はボラティリティーが高まる月でもあり、株価の変化幅には注意をしたい。しかし、日本は衆議院選挙が始まり、過去のデータからは衆議院選挙月の株のパフォーマンスは悪くない。


 筆者の唯一の懸念はインフレで、足元の商品価格の上昇や、エネルギー価格の上昇を見ると、スタグフレーションになるのではないかと言う懸念がある。加えて日本は円安が進み、原材料コスト高も懸念事項だ。



筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事



会社紹介

 Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。現在はライブストリームで日本各地からオンラインツアーを行っております。


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