top of page

News

  • Writer's pictureJapan Localized

韓国が日本のインバウンドを牽引|2022年12月月次インバウンドレポート

■12月主なインバウンド関連データ

日本政府観光局が発表した2022年11月の訪日外国人客数は単月で934,500人となった。前年同月比は+4418%、同年前月比+87.4%となった。

以下のグラフは2017年からの訪日観光客数のグラフである。


国別の内訳を見てみると、韓国がコロナ前の同月比の水準を大きく上回り、全体を牽引。一方、台湾からの訪日客数が意外と伸びていない。

出所:JNTO



日本百貨店協会が発表した2022年11月免税店売上高・来店動向速報によると、免税店売上高は前年同月比+403.2%の175.4億円だった。

訪日客数の増加に伴い、免税店売上高も順調に回復していることが確認できる。


観光庁が発表した2022年11月の宿泊旅行統計によると、2022年11月の外国人延べ宿泊者数は400万人泊、2019年同月比▲55.8%、前年同月比+1098.6%であった。


以下は12月単月のインバウンド・旅行関連銘柄のパフォーマンス。

12月のインバウンド銘柄は引き続き利益確定売りに押されたものの、中国のゼロコロナ政策の緩和策などの報道から、中国インバウンド銘柄である、マツキヨココカラや資生堂、ヤーマンなどの株価の上昇が目立った。


■ツアーデータと考察

Tokyo Localizedのツアーデータは以下の通り。

12月単月では、2019年比▲40%とという結果となった。こちらは個人的な予想より“戻った”という感覚だ。12月はシーズナリティー的に大きく落ち込むのだが、先月と比べて大きく伸びた。


考察

令和5年度の観光庁の予算が決定したので、少し中身を見てみよう。

出所:観光庁


予算額は307億円、前年度の1.38倍となった。前年度は水際対策で海外観光客が入国できない中、この予算は何に使ったのかというツッコミを置いておいて、昨年より増えた。特に目立つのが、「戦略的な訪日プロモーションの実施」である。この類の事業は業者に中抜きされ、プロモーションの効果検証も“動画の再生回数”とか、“検索数”などにとどまっており、そのプロモーションがどこの地域にどれぐらいの経済効果を与えたのどうかが全く不明である。ここに大半の予算の170億円が割り当てられているのである。

次に目立つのが「文化資源を活用したインバウンドのための環境整備」である。ここに40億の予算が振り当てられている。どのような内容なのか、観光庁の資料から抜粋したのが以下の図だ。

出所:観光庁


目立つのが、“日本文化体験プログラム”や”文化財のインバウンド対応“などだ。日本文化体験など、そもそも日本人に向けてやった方が圧倒的にいいのに、何故インバウンド向けにやるのかが意味が不明である。また、文化財の多言語対応は時代遅れ過ぎる。今はGoogle Translateというアプリで事が済むが、ないよりマシなのである。

いつも思うのだが、ツアーの現場で聞く声と、現場の事をしらない役人が作る政策には大きな乖離がある。また役人に政策を売り込んでいるコンサル事業者も何も現場の事は知らないのである。頓珍漢な観光政策に国民の血税が垂れ流しになっている事をきちんと精査しなければならない。


筆者紹介

・立命館大学卒

・SMBCフレンド証券(現SMBC日興証券)を経てかんぽ生命保険入社

・外国債券・為替ポートフォリオマネイジメント、日本株アナリスト兼株式ポートフォリオマネイジメントを担当

・米国College of William & Mary School of Business 卒(MBA)

・Japan Localized設立後、訪日観光客向けへ体験ツアーの企画運営、インバウンド市場のリサーチ業務に従事

・まいまいツアー事務局

・きんざい、訪日ラボ、BBC、CNBC、日経ラジオなど多数のメディアの出演

・日本証券アナリスト協会認定アナリスト、FP2級技能士


会社紹介

Japan Localizedは東京、京都、大阪で訪日観光客向けのガイドツアーの運営を行っています。これまで、+50,000人以上訪日観光客へツアーを遂行しました。トリップアドバイザー社の”旅好きが選ぶ!外国人に人気の日本の体験・ツアー2020”で日本全国第3位に選出されています。

また、北米、欧州、豪州、南米からのインバウンドに特化したツアーの企画、リサーチ、マーケティング、英語及びスペイン語のツアーガイドの養成・研修、欧米豪南米インバウンド向けビジネスコンサルティング、メルマガ発行など幅広くインバウンドビジネスサービスを提供しております。詳しい情報やお問い合わせは弊社のホームページのお問い合わせフォームからお願い致します。





Comments


bottom of page